授業:学部4年・月曜2~4限・オンライン
担当:田村裕希・加藤大作
※敷地の通時/共時のリサーチと建築を ‘課題’という形式を使って構想させる試みです。
建築設計製図Ⅵ 第2課題:
設計課題をつくる
あなたは建築家で、2020年7月より都内の大学で4年生15名の設計スタジオを担当することになった。学生はこの課題のあとに卒業制作をすることになっていて、これが学生生活最後の設計課題となる。この時期にふさわしく、多様なアウトプットが期待でき、創作意欲を掻き立てる魅力的な設計課題をつくる。
条件
・敷地の通時/共時のリサーチに基づいて、建築の構想とその根拠を示すこと
・敷地は、毎週こちらから提示するテーマに即して選定すること
・敷地図面を用意すること(縮尺は任意)
・選定した敷地はクラス共同編集のグーグルアースにピン留めしアーカイブすること
提出物=課題書の作成要領
・形式 :A4.pdf/ヨコ/枚数自由
・課題文 :課題の意義を明確に伝える文章
・敷地図面:縮尺を与える
・敷地写真:敷地の現況を写真でレポート
・参考資料:課題設定の根拠を示すもの
スケジュールと敷地選定のテーマ
第1週(7/06):テーマ①「交通と建築」
第2週(7/13):テーマ②「人間以外のものとの共存を問う」
第3週(7/20):テーマ③「地図で見てその面白さがわかる場所」
第4週(7/27):アーカイブ・ディスカッション
第5週(8/03):第1課題コンペの結果レビュー・総括
グーグルアースを共同編集。30名×3週で、90の敷地(=設計課題)をアーカイブ。地図で黄色でマークされたものが敷地。
テーマ①:交通と建築
卯都木一希「村岡の新駅構想」
河口知美「裏路地のある集合住宅」
高田勇哉「下北沢駅線路跡地の宿泊施設」
三原綾香「ミュージックパークのバスターミナル」
「リニア新駅そばのサードハウス」
松永賢哉「森野団地脇のロータリー」
石橋美雪「本厚木8叉路の交差点」
大土井琢人「交通広場・交通中心点」
中村駿宏「高低差のある敷地での駅舎」
中村洸晶「愛甲石田駅前広場の再編」
徳田和也「江ノ島観光案内所の拡張計画」
テーマ②:人間以外のものとの共存を問う
河口知美「芸術文化施設において音環境を設計する」
高田勇哉「東京湾で森と過ごす」
三原綾香「円海山のホタル観測所」
秋元駿「泉の森の釣り堀跡地」
小永琢巳「都市のなかの里山」
星谷究実「集落から町への再編成」
石橋美雪「公園・鳩」
大土井琢人「畜産と人間」
中村駿宏「森への浸食」
中村颯太「農業を守る」
徳田和也「歴史と共存する街並みをつくる」
比嘉あみ「廃線跡のバス釣り堀グラウンド」
明野隼人「桜島との融合」
實駿祐「小川を取り込む小学校」
テーマ③:地図で見てその面白さがわかる場所
原田岳「2nd Work Place」
高田勇哉「渡月橋の桟橋」
三原綾香「切岸のお堂と鎌倉彫体験館」★
小泉和久「スケートリンクと高齢者施設」
星谷究実「美術大学のアーティストインレジデンス」
大土井琢人「長崎市庁舎裏の高架駐車場のリノベーション」
中根淳「星形の地域に開かれた小学校」
中野翔「お台場第六砲台跡地と船着き場」
野島太一「旧深谷通信所跡地再利用計画」
實駿祐「切り取られた雑木林の国立大学とカフェレストラン ーキャンパスの夜間利用を考えるー 」
卯都木一希「トルクメニスタン地獄の門開発プロジェクト」
加藤亜美「北斜面のみかん畑に立つオーベルジュ」★
亀岡美雨「由利本荘市の高齢者施設」
★:合同講評会選出課題
この課題の主旨は、リサーチを根拠にした敷地と建物のマッチングを「課題書」という形式の中で建築条件/建築目標を言語化することにある。設定の妙、課題書のクオリティ、要求することとその根拠、設計がしたくなるかどうか、魅力的な課題かどうか、アウトプットの多様性が望めるかどうか、資料の充実度、などが評価のポイントとなった。