建築コース

【研究室】プレディプロマ・ピンナップレビュー

2020年7月28日、建築設計計画Ⅱ研究室、プレディプロマ課題「サイト・プロット」のピンナップレビューを行いました。プレディプロマとは卒業制作の直前課題。卒業制作で対象となるエリア(敷地は未定)の配置図の作成を通して、敷地の見方の発見を目指します。
前期、最初で最後の研究室ゼミ。12号館の2階は貸し切り状態だったので、フロアのすべてを使い好きな場所を選びピンナップ。場所の選定にも個性が出る。以下、発表順に紹介します。

石橋美雪@廊下突き当りのベンチ前:
厚木市大山の裾野にある住宅地の全景を作図。崖線と街路と庭、という異なる場所に立つ木をフラットに作図。テーマが複層していることから今後は数枚に分離して描き分ける。

小泉和久@製図室1第1ブース:
甲州市の風景の基点としてのブドウ棚のリサーチ。現地を徹底的に歩き、撮影した写真を分類。ぶどうの「傘かけの棚」と「袋かけの棚」の分布と街の構造を結びつける仮説をもとに配置図化を試みる。調査旅行のお土産はぶどうではなく桃、、ごちそうさま。

小永琢巳@製図室1第1ブース:
ヨーロッパ型のサッカークラブによるスタジアムの運営と管理の国内での可能性を検討。名門チームのチケット販売サイト座席表をセイムスケールセイムディレクションで一覧させる。今後は配置図を使ったスタジアムの立地探しに挑む。

高田勇哉@製図室1第2ブース:
西麻布の地形と大使館街をテーマに境界をリサーチ。国境、段差、坂、フェンス、塀、鳥居、白線、敷地境界線、、、あらゆる境界が提示される。大使館の配置関係から、架空の世界地図の作成を試みる。

實駿祐@製図室1第2ブース:
国立駅前のイチョウ並木。ここはかつての滑走路。イチョウと桜が交互に、しかも車道側と歩道側にわずかに芯をずらして植えられていることを発見し、配置図に落とし込む。カタチだけ再現されたフェイクの駅舎、一橋大学構内の原生林、グリッドとハワードの田園都市のハイブリッドとしての街の形成の歴史が、テーマとして併置される。

ここでカメラの電池が切れる。即席で、三脚に黒板消しを使って携帯カメラを直角に固定。画質と画角が急に向上。以下、後半戦です。

河口知美@製図室1第3ブース:
大和市泉の森に残る防空壕跡と米海軍厚木基地の音の配置図。移動するものとその速度と騒音の関係の記述を試みる。楽器の断面や音の反響音の表記のリサーチから配置図につなげる独創的なアプローチ。

加藤亜実@廊下壁面と談話テーブル:
研究室で唯一の論文。建築家がドローイングに描いてきた添景(人間)の表現の変遷を追う。配置図に代えてドローイング年表を作成。「シルエット」「アクティビティ」「ストーリー」に分類したドローイングをテーブルごとにディスプレイ。

比嘉あみ@中庭側のガラス面:
永真遊郭跡の ‘柳の木’ を中心とした一帯がテーマ。かつて遊郭の目印だった「見返り柳」が今でも残ることに注目し、金刀比羅大鷲神社参道と横浜橋商店街を含む一帯を配置図化した。商店街のアーケードの柱をすべてプロットした4.5mの1/100平面図には商店の間口とアーケードの柱位置が記録されている。

野島太一@第2製図室廊下側壁面:
東京駅を境にわずかに振れるふたつの軸に注目。一帯を地下/GL/ポディウム/タワー、4つのレベルで配置図化した。地下の図面化に際しては全天球カメラで記録した動画から図面をおこしたとのこと。描き分けた図面を、もう一度、ビル街での体験に基づいて統合できるかが議論される。

全員分のプレゼンテーションが終了。配置図を描くことを通して、描く線と描かない線を決め、図面としての表記に落とし込みながら敷地の見方を発見していく。まだ多くの配置図が未完のままでもある。このあと配置図を完成させたうえで、選定した敷地で設計をスタートする。

【研究室】天王洲ツアー

【授業紹介】敷地のアーカイブ

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