東京工芸大学が取り組む「色」に関する研究(私立大学ブランディング事業)の採択テーマとして、「近代建築空間における色彩に関する復元的研究ーヴァイマール期ドイツのジードルンクを中心に」(研究代表者:海老澤模奈人)を進めています。本研究において歴史的な建築物の色彩を把握する方法として考えたのが、色を表現した模型の制作です。
題材はユネスコの世界遺産にも登録されているブルーノ・タウト設計のベルリンの大ジードルンク・ブリッツ。中央の馬蹄形住棟で有名な1期と2期(1925-27)を研究対象としました。ドイツ表現主義の建築家として有名なタウトは、1920年代にドイツで設計した多くのジードルンク(住宅団地)にさまざまな色を塗ったことでも知られています。
現地で色彩を確認し、ベルリンの記念物保護局や建築事務所から図面と資料をとりよせ、建築史研究室にて10月から模型の制作を進めました。制作は修士1年の堤健太郎君(八尾研究室)にお願いしました。
ようやく模型が完成しました。鳥瞰的な視点からタウトのユニークな彩色の試みを見てとることができます。
この模型は2020年度の「Col.lab Gallery(カラボギャラリー)」の展覧会で展示する予定です。研究成果の一部を3月の同事業・第2回国際シンポジウムで海老澤が発表予定です。