今年度は新型コロナウィルス感染症の影響で、東京工芸大学でも原則オンライン授業を行ってきましたが、今週より、段階的に対面授業が再開されています。化学・材料コース1年生の必修科目『化学実験』でも対面授業が始まりました。
今年度の経験で、オンライン授業にも多くのメリットがあることがわかりました。そして、オンラインでの実験指導を経験して、実験授業であってもオンライン授業のメリットはあると感じました。たとえば、通常の対面授業では、実験作業に気をとられがちで、実験の内容理解やデータ解析が疎かになってしまうことがあります。しかし、実験作業のないオンライン授業では、内容理解やデータの解析に集中することが出来ます。
とはいっても、やはり実際に手作業をしないと身につかない部分があります。それに、実際に実験をしないとつまらないです。よって、対面授業再開は嬉しい限りです。
化学実験でも、既に1回、対面授業を行いました。感染拡大防止のために、実験室に入る前の消毒、実験室の換気、マスク着用での実施です。実験中は保護メガネを着用するのですが、マスクをしているとメガネが曇ってしまったりと、苦労もあります。
また、受講生の中には、まだ地方の実家にいて通学できない学生さんもいます。実験当日に37.5℃以上の発熱がある場合も、対面授業への出席はできません。そのような受講生のために、オンラインによる授業中継も行っています。それを、我々は「ハイプリッド授業」と呼んでいます。
実際に実験している1班に密着し、実験者目線で中継します。オンライン受講生は、自宅でパソコン画面を見ながら、実験ノートに観察事項やデータを記録していきます。実験終了後には、実験ノートの写真を提出し、その場でチェックを受けます。なので、教員を対面授業担当とオンライン授業担当に分け、パラレルで授業を行っています。
中継では、実験の補助をしてくれる上級生にカメラマンをお願いしました。こんな風にスマートフォンで撮影すると、
こんな感じで、パソコン画面で見ることが出来ます。21世紀万歳!
対面授業に参加した学生さんは、皆さん楽しそうに、かつ、真剣に実験に取り組んでいました。きっと今頃はレポート作成に苦しんで勤しんでいることでしょう。たくさん学んでくれることを期待します。次回の実験もお楽しみに。