化学・材料コースの高橋圭子教授が、シクロデキストリン学会の令和元年度の学会賞を受賞されました。
受賞業績題目は「γ-シクロデキストリンの包接挙動および物理化学的性質に関するNMRを用いた基礎的研究と機能の応用展開」です。
高橋教授は、長年、シクロデキストリン研究に従事され、貢献されてきました。さらに、最近では、シクロデキストリン学会の会長を、2期連続で4年間務められています。
で、先ほどから登場する「シクロデキストリン」とは何者なのでしょうか? それに関しては、シクロデキストリン学会のWebページ上で、現・学会長がわかりやすく説明されていますので、そちらをご参照ください。
会長のお話は少々難しいという方に向けて、筆者の分かる範囲の簡単な説明をしますと。。。
シクロデキストリンとは、下図のような大きな分子です。化学的には「糖」に分類されます。ブドウ糖が複数繋がるとオリゴ糖になるのですが、ブドウ糖6~8個が「環状」に繋がったオリゴ糖(環状オリゴ糖)がシクロデキストリンになります。受賞題目にある「γ(ガンマ)」とはブドウ糖8個バージョンを指します。
シクロデキストリンの最大の特徴は、その抱接(ほうせつ)能力にあります。シクロデキストリンのつくる環(わっか)の中に、他の分子等を捕らえることができるのです。この現象を応用して、化粧品や食品など、私たちの身近なところで利用されています。トウモロコシのデンプンなどから大量生産されているそうです。消臭剤のボトルの裏の成分表に「トウモロコシ由来の○○」とあったら、きっとそれはシクロデキストリンです。
最後になりましたが… 高橋先生、ご受賞おめでとうございました!
オマケ:α-シクロデキストリン(α-はブドウ糖6個バージョン;分子式は C36H60O30)の巨大分子模型。オープンキャンパスで展示中。