授業のない長期休暇は、教員にとって貴重な研究期間です。ドイツ近代建築史を専門とする海老澤模奈人教授は3月後半にドイツのベルリンでジードルンク(住宅団地)の調査をおこないました。
第一次世界大戦後の1920年代、ドイツの各都市では住宅不足の解消と居住環境の改善のために、ジードルンクと呼ばれる住宅団地が数多く建設されました。それらは1世紀近くたった今日でも社会的な遺産として住み継がれています。今回はユネスコの世界遺産にも登録されているブルーノ・タウト設計の馬蹄形ジードルンク・ブリッツ(1925-33年建設)などを訪問し、居住者協会の皆さんから助言を得ました。
タウトのジードルンクは住棟にユニークな色彩がほどこされたことで知られます。ジードルンクで色彩がどのように計画され、現在まで維持されてきたかを調べています。東京工芸大学が取り組む「色」の研究にも関連する興味深いテーマです。