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サニブラウン選手の感じる追い風2.4m/sとは

先日,100m走の日本記録をサニブラウン選手が更新するか!?が話題となり,NHKニュース7から,彼が9.96秒を記録した時の追い風2.4m/sについて取材協力の依頼がありました。記者とリポーター,カメラ・音声スタッフの方に,風工学研究センターを一通り案内し,大型乱流境界層風洞で風の体験をしていただきました。

取材の際に記者の方にコメントしたのですが,動いていない我々が感じる風速2.4m/sの風と,トップスピードでアスリートが感じる追い風2.4m/sの影響は違うのです。100mを10秒切るタイムで走るアスリートのトップスピード1)は11.7m/sとすると,無風時であれば,トップスピードの時は向かい風11.7m/sを感じることになります。これが追い風2.4m/sで,向かい風は9.3m/sとなります。

勘の良い人ならもうお気づきだと思いますが,簡単に言うと,風から受ける力は,風速の2乗に比例するので,トップスピードのアスリートにとっての無風時と追い風2.4m/sの風圧力の違いは,動かない人が感じる2.4m/sの風圧力に比べて,(11.72-9.32) / 2.42 =8.75倍となります。
これは,運動が高速になるほど周辺風速の影響が大きくなることを表しています。
100mを10秒切る世界というのは,普通の人の感じる世界とは少し違うというお話でした。

(追伸)この文章を書いているときに,サニブラウン選手が9.97秒の日本新記録を追い風0.8m/sで出したことがニュース速報で流れました。風の影響などものともせずに記録更新する選手の気概に触れた気がします。素晴らしいです,おめでとうございます。

参考文献
1) 広川龍太郎, 松尾彰文, 柳谷登志雄, 土江寛裕, 杉田正明, 男子100m 決勝進出者5名の予選から決勝におけるレースパターン分析, 第11回世界陸上競技選手権大会 日本陸上競技連盟バイオメカニクス研究班報告書 “世界一流陸上競技者のパフォーマンスと技術”, pp.18-23, 2010

 

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