工学部と芸術学部を有する東京工芸大学では、1年生対象の「初年次教育・自校教育科目」として、『知性と感性を学ぶ』を開講しています。これは工学部と芸術学部の垣根を越えて、両学部生向けに開講される工芸融合科目の1つでもあります。工学部の各コースと芸術学部各学科の教員が持ち回りで自分たちの領域の話をするオムニバス形式のユニークな授業です。つまり、工学部および芸術学部の学びの守備範囲を紹介する授業です。初回の講義は学長が担当します。
そして、今年の化学・材料コースの担当者は「私」です。今週の台風が接近する日、午前中の厚木キャンパスでの授業を終えた後、中野キャンパスに赴き、芸術学部生向けに講義をしてきました。下の写真は中野キャンパスの1号館。
講義タイトルは、『化学と材料:炭素材料の世界』です。ちょっとカッコ悪いのですが、よいタイトルが見つからず妥協しました。講義では、 材料とは?、材料と化学の関連性とは?、そして、「私」の専門である炭素材料とは? などをお話しました。「材料」という言葉、私たちの世界ではなじみ深いのですが、一般にはあまり理解されないみたいなので、材料とは? から始めました。「炭素材料」については語ると長くなるので、またの機会に詳しく書きますが、21世紀を代表する材料の1つであることは間違いありません。
工学に関わる者だけではなく、人類として、材料の発展は不可欠です。優れた材料を手に入れることが、豊かで安定した生活を手に入れることに繋がると思います。材料研究の奥深さや面白さの、ほんのひとかけらでも伝わっていてくれると嬉しいです。
下の写真は講義の最後にミニレポートを書いてもらっているところです。中野キャンパスの教室は厚木キャンパスよりも洒落ています。
工学部での講義はこれからです。頑張ります。