建築コース

相模原市の国登録有形文化財の古民家・旧笹野家住宅の調査を行いました

旧笹野家住宅の上空でドローンが撮影中

8月6日(水)、電気電子コースの内田研究室(電子画像研究室)と建築コースの海老澤研究室(建築史研究室)が共同で相模原市の古民家・旧笹野家住宅の調査を実施しました。旧笹野家住宅(主屋)は、近世の養蚕農家の姿を今に伝える貴重な遺構であり、敷地内に残る長屋門とともに2015年に国の登録有形文化財に登録されています(相模原市HP)。

笹野家 座敷

歴史的建築物を研究対象とする建築史研究室と建造物のデジタルスキャン技術を研究する電子画像研究室は、昨年より文化財のデジタル・アーカイブスをテーマにコラボレーションを進めています(collab HP)。昨年から今年にかけては、相模原市の旧陸軍通信学校将校集会所の調査を行ってきました(昨年の調査の様子)。

調査の打ち合わせをする内田先生と内田研の皆さん

ドローンを操作する内田研の岩田さん

今年度、建築史研究室の尾崎君が旧笹野家住宅を対象に卒業設計を計画していることから、民家の特徴をより良く知るために、内田先生に旧笹野家住宅の調査を依頼し、ご快諾いただきました。

図面をもとに建築を確認する尾崎君

笹野家 室内

内田研究室では現在、①ドローン撮影によるフォトグラメトリ(3Dモデルの作成)、②LiDARスキャンからの3D点群の生成、③Matterport社の光プロジェクション構造化方式での撮影によるウォークスルー表示の作成、という3つの技術を用いて、建造物のデジタルスキャンを実践しています。この日は3つの方法を並行して実施していただきました。学生の皆さんが慣れた様子で機材を扱い、手際よくスキャンを進めていく姿が印象的でした。

LiDARスキャンの準備をする内田研の皆さん

室内をスキャンする武井さん、熊坂さん、星野さん

養蚕に使われていた小屋裏には二層の床が設けられている。3Dスキャンを用いれば短時間で小屋組の構造を把握できる。猛暑のため蒸し風呂のようになった小屋裏の調査には大変有効であった

3D点群で表現された笹野家の構造

近年は歴史的建築の調査にも最新技術が用いられるようになってきています。われわれ(建築史研究室)は今のところ教えてもらうことばかりですが、今後も分野を超えて、相互の技術を高めていければと思っています。

Matterportの撮影用機材 庭越しに見えるのは長屋門

笹野家の土間でMatterportの撮影機材を移動させる内田先生

当日中にウォークスルー表示ができあがった。この技術にはいつも驚く

当日は関東地方で40℃に迫ろうかという猛暑日でした。調査の実施も危ぶまれましたが、皆さん要領よく作業を進めてくれたおかげで、問題なく終えることができました。

深い軒と大きな開口部をもつ日本の伝統的家屋が夏の気候に有効であることも実感しました。

深い軒が日差しを遮る

開放的な造りのため、外の暑さの割には涼しく感じる。時折気持ち良い風が入ってくる

猛暑の中、皆さんたいへんお疲れ様でした。ご協力いただいた相模原市文化財課(村田様)に感謝いたします。ありがとうございました。

調査を終えて記念写真。お疲れ様でした

笹野家 室内

手伝いに来てくれた青木君。民家を味わいつつ外の風景を眺める

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