建築設計計画Ⅱ研究室・ゼミ旅行レポート⑤
後楽園・流店(津田永忠)
庭園に浮遊する無重力建築。よく見ると2階の屋根も寄棟で、1階の屋根に対して90度回転して積層されている。柱のスパンは屋根の重なる川下側に向けて変則的に拡げられ視野をひらくとともに、建物自体を軽やかに見せる効果がある。
川を貫通させることで床は長手ふたつにスライスされる。北側は奥行1軒強はある居間であり陸地に接続し、南側は半軒程度の縁側的な場所として川の対岸の中州に置かれている。居間に座ると、川と縁側の先、正面200mほど南の位置に岡山城を捉えることができる。2階の見晴らし台に上がる梯子は南側縁側に着床する構成で、登り終えて振り返ると天守閣を見せるシークエンスがデザインされている。
後楽園・蘇鉄畑
さざなみ茶屋(「廉池軒」の隣)
スケッチ旅行。描こうと決めると、そのあたりで留まれる場所を見つける。天候や工程とも相談。描きはじめると建物に集中する数分がはじまり、まわりの音がよく聴こえる。見ることや撮ることと、描くことはやはり全然違う。
立ち止まったかと思うとすぐに次の場所に移動する。早く描ける人は描きはじめるハードルが低いので、スケッチの時間を告げるペースメーカー。
©栗原美希
赤津と高橋は一緒に描くスタイル。アングルが同じだと描きあがったスケッチを比べる楽しみもあるのかも。赤津の描き方は、‘建物の絵’ から ‘建築と周囲の関係性の絵’ へと、5日間で大きく変化した。
©赤津拓実
スケッチブックを高く掲げ、視野に近づける。すると首を振らなくて済む分、構図を捉えやすい。流店内部の変則的な柱配置や、水の流れに動きをもたらす岩の様子が記録されている。
©加藤千尋
スケッチをしていると人が寄ってくる。話しかけてくる人、絵を覗き込む人、解説してくれる人。ちょっとした緊張感が心地いい。
©舟窪麻友美
休憩しながら描くと一石二鳥。ベンチや木陰の座れる場所は、大抵眺めのいいスケッチポイント。
©田村裕希
W’(出石ギャラリー+A&A ジョナサンハセガワ)(設計:青木淳建築計画事務所 長谷川豪建築設計事務所+ジョナサン・モンク オーノJAPAN)
岡山市民会館(設計:佐藤武夫)
閉館と解体を控えた岡山市民会館の最終日に滑り込む。ご厚意で閉館セレモニー終了後のホールを見学させていただく幸運に恵まれる。
敷地に余裕がないので2階客席を大きく張り出している。2階への大動線を確保するための大き目の階段室がエレガント。
背もたれは少し高めで落ち着く。ホールのトレーサリーはプレキャスト・コンクリートのブロックに色ガラス(アクリル?)を嵌め込んで制作されている。
ツルの跡が残る斫り壁。随所でホールのカタチが感じれるようにデザインされている。
林原美術館(設計:前川國男)
岡山県立美術館(設計:岡田新一)
特別展「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」を見学。イサムノグチの初期の作品がありDAY.2を思い出す。
城下地下広場 しろちか
岡電東山線
栞&図面集
幹事:加藤千尋(M1)& 赤津拓実(B3)