2019年度の卒業設計発表会が2月15日に行われました。今年度より、卒業設計の提出要件を「図面(A1サイズ)10枚」から「図面A1サイズ6枚相当+模型」に変更したことにより、表現の自由度が高まり、展示そのもののデザインをしっかり考えた案が増えました。また、今年の学年は粘り強く取り組んだ人の割合が高くアイデアも多様で、熱く真摯な質疑応答が行われました。
中でも頭一つ抜きん出た表現をしたのは加藤大基君。高度成長期に建設されあまり活用されていない公民館と、都市内で目立つにも関わらず無骨な土木構築物としかなっていない震災対応の避難タワーのプログラムを組み合わせ、新たな住民のコミュニティーの象徴ともいうべき塔を力強くデザインし、審査員全員一致で卒業設計賞に選定されました。
リサイクル工場のそばに、資源の持続的循環を身近に体験できるプログラムを巧みに組み込んだ新井案、佃島という難しい題材に対して知的なアプローチで過去と現代を再構築しながら持続的な街をつくる提案をした榎本案、家具的なスケールから小さな建築を都市にそっと忍ばせ、社会的弱者に優しいモードに街を変容させる提案をした森山案が優秀賞に選定されました。
榠樝賞(非常勤講師賞)には榎本さんのほか、森林再生のサイクルに人の人生のサイクルを組み合わせる建築の提案をした鈴木脩介君が選ばれました。
賞に選定された人も、惜しくも選外となった人もよく頑張りました。今後の活躍を祈念します!!(八尾)