7月29日、30日の両日、建築史研究室と相模原市教育委員会の合同で旧陸軍通信学校将校集会所の調査を実施しました。相模原市はかつて陸軍関連の施設が多数建設された軍都として知られています。この建物は相模原市に現存する数少ない旧陸軍の遺構で、現在は大学の施設として使用されています。
4年生の阿部ゆうさんが卒業研究でこの建物の歴史に取り組みます。今回の調査の主目的は図面作成のための実測と写真撮影でした。生きた歴史的建築物を描き、測ることは教室での学びでは得られない貴重な経験です。
スパンの大きい集会所の部屋の小屋裏にはトラス構造が用いられています。通常、天井の上の構造を把握するのは難しいのですが、6月に情報コースの内田先生にご協力いただき、3Dスキャンを実施することで、屋根を支える構造の概要を知ることができました。昨今は歴史的な建築の調査にも新しい技術が取り入れられつつあります。このようなコラボレーションをさらに進めていければと思います。
今回の調査は、私にとってもコロナ禍を経て久しぶりの実測調査となりました。建築の調査は長期休暇の夏休みが定番ですが、以前と比べて今年の夏はとても暑い。そのことを実感しつつ、どうにか無事に調査を終えることができました。皆様お疲れさまでした。
建築史研究室は引き続き地域の歴史的建築物との取り組みを進めていきます。
関連する過去の投稿