建築コース

【授業紹介】相対化と批評性

授業:学部4年・月曜2~4限・オンライン
担当:田村裕希・加藤大作

建築設計製図Ⅵ 第1課題:
公衆トイレ公開設計競技に参加する
くまもとアートポリスプロジェクト 立田山憩の森・お祭り広場公衆トイレ公開設計競技2020

公共空間・公衆衛生に対する考え方が大きく変わるこの時期に、公園内に立つ公衆トイレを設計する。時事問題のせまる中で建築をどのように提案し、あるいは問題とどう距離をとるのか。切実さと建築の喜びを両立させる。実施を前提としたリアリティの中で建築を構想する。また最終週には公表されたコンペの結果についてのディスカッションを行い、作品を相対化し、建築の批評性について考える。

スケジュール
第1週(5/11):出題とレクチャー
第2週(5/18):プレゼンテーションとディスカッション:リサーチ
第3週(5/25):プレゼンテーションとディスカッション:スタディ
第4週(6/01):中間提出:模型
第5週(6/08):プレゼンテーションとディスカッション:矩計図
第6週(6/15):プレゼンテーションとディスカッション:レイアウト
第7週(6/22):梱包と発送
第8週(6/29):最終提出と講評会

作品の相対化
エスキス(相談を持ち掛ける)ではなく毎週をプレゼンテーション(自分なりの結論を出す)とした。発表後、教員2名が加わり3者でディスカッションを行い、その様子を他30名の学生が聞く形式とした。長時間にわたる接続ではあったためオン/オフの切り替えは各自に委ねるが、ほとんどの学生が全員のエスキス内容に耳を傾けていた。これまで隣に居た友人の、意外な思考のプロセスにオンラインではじめて触れて学ぶことも多かったようだ。

評価と批評
学生も採点に参加。これはオンラインによって「全員が、全員の作品の制作のプロセスを共有できていた」ことが前提になった。持ち点5点を自由に配点し、スプレッドシート上でリアルタイムで集計、評価基準を欄外に併記した。自己評価/学生の評価/教員の評価/コンペ審査員による評価など、建築に共存する複数の評価軸を体験した。
迷いなく数点を投票する人がいる一方で、0.5点に刻みはじめる人も多発、、1点の重さを身をもって実感したようだった。また、特に制限はしなかったが自分への投票は、暗黙のルールであるかのように誰も行わなかった。

得票の多かった7作品河口知美「あのなか」

星谷究実「変化する山の存在」

小泉和久「森と共生するトイレ」

野島太一「私雨」

小永琢巳「奥まる空間、緩やかな境界」

三原綾香「木を見る、木へ入る、木になる」

高田勇哉「九つの庭」

課題とコンペの結果
コロナ禍における審査形式の変更により、課題(コンペ)期間中に提出図面のサイズがA1(1枚)からA3(4枚)に変更されたことで、各作品は4分割レイアウトになっている。また審査期間中には熊本県南部地域の豪雨被害も発生した。全国から279もの作品応募があり、7月8日には事前審査通過者10名が発表された。私たちの上位7名で、事前審査を通過したものはいなかった。

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