相模大橋から厚木市へと入る玄関口に「中央通り防災建築街区」という1960年代に建設された鉄筋コンクリート造の一連の商店街建築があります。これは1961年制定の防災建築街区造成法に基づき、都市の不燃化をめざして全国各地でつくられた防災建築街区のひとつです。1階に商店が入り、2階以上が住居となるのが一般的です。
厚木の場合、火災に強いまちづくりに加えて、1964年の東京オリンピックを前にした道路拡幅という目的もありました。ドイツ近代建築史を研究する私にとって興味深いのは、この建築が西洋起源のモダニズムを体現するような統一感のあるデザインをみせていることです。戦後の厚木を代表する建築遺産と考えています。詳しくは本学紀要に発表した論文をご覧ください。
2015~2017年度に建築学科が文部科学省の支援を受けて取り組んだ私立大学戦力的研究基盤形成支援事業「次世代型環境防災都市の構築に向けた基盤研究~神奈川県厚木市をモデルケースとして~」の一環として研究に着手し、現在も調査をすすめています。
2019年5月には地域密着のフリーペーパー「厚木時間(50号)」でも特集が組まれました。
12月14日(土)午後に、首都圏形成史研究会の依頼をうけて、あつぎ郷土博物館でこの建築の成立と変遷について報告します(詳細はこちら)。厚木の近現代史に興味がある方、戦後の都市・建築に興味のある方、ぜひご参加ください。
↑「厚木時間(50号)」の紙面より