建築コース

UR都市機構と共同でスターハウス研究を始めました

8月1日にUR都市機構と東京工芸大学の間で共同研究協定を締結し、建築史研究室(海老澤研究室)によるスターハウス研究を始動しました。

常盤平団地のスターハウス

スターハウスとは戦後まもない時期の住宅団地で建設された住棟のタイプであり、三角形平面の階段室の3辺に住戸が配置され、Y形の平面形状を取るのが特徴です。その平面形状から星形住宅=スターハウスと呼ばれます。日本住宅公団(UR都市機構の前身)では、設立初期の10年間(1955-65年)に約300棟のスターハウスが建設されましたが、その内現存するのはわずか40棟ほどです(時久賢矢の卒業論文を参照)。2019年7月にUR赤羽台団地のスターハウスを含む4棟の住棟が、団地の建築として初めて国の登録有形文化財に登録され、今、歴史的な資産として注目を集めています。

スターハウスの階段室

建築史研究室では、これからUR都市機構の協力を得ながら、スターハウスの歴史と現状に関する研究を進めていきます。手始めに9月の日本建築学会大会(金沢工業大学)で修士1年の時久君が卒業論文の成果を発表します。

共同研究締結後の最初の調査として、8月6日にスターハウスが残るUR都市機構の3つの団地(常盤平団地、赤羽台団地、野方団地)を訪ねました。以下はその簡単な報告です。

常盤平団地(千葉県松戸市、1960年入居開始):スターハウス建設数10棟、現存10棟

大木に囲まれる常盤平団地のスターハウス群。豊かな自然の中で、スターハウスがあたかも1本の樹木のように見えた

大きな建て替えもなく、建設時のスターハウス10棟がそのまま残る大規模団地です。スターハウスの利点は一般に、斜面地や変形敷地にも建設が可能なこと、団地景観に変化を与えられること、各住戸の開口部が多く開放性が高いことなどが指摘されます。今回の研究では、特にスターハウスと敷地との関係に注目していきたいと考えています。常盤平団地でも緩やかな斜面のある広い敷地内にスターハウスが点在し、魅力的な団地景観をつくり出していました。長い年月の間に育まれた団地内の自然は、かけがえのないものと感じました。

スターハウスの間には広い空地が取られている。長い年月の間に成長した樹木が、猛暑の中、日陰を提供してくれた。

URの協力を得て、スターハウスの住戸内も初めて見学することができました。各部屋には窓が多く、とても開放的な印象です。このような利点の半面、一住戸当たりの壁面積が多く建設費がかかること、また土地利用効率が悪いことなど、主に経済的なデメリットからスターハウスは1965年以降、日本住宅公団では建設されなくなっていきます。

常盤平団地 スターハウス住棟の住戸内部

 

赤羽台団地(東京都北区、1962年入居開始):スターハウス建設数8棟、現存4棟

赤羽台団地 崖線沿いに並ぶスターハウス 文化財としての保存にあたり仮囲いが設けられている

崖線沿いのカーブを描く土地に8棟のスターハウスが並んで建設されました。崖下からの眺めが意識されているのがわかります。保存予定のスターハウス3棟の内の44号棟に当初の住戸内部を再現した部屋ができました。今回、内部を見学させてもらいました。

赤羽台団地44号棟の再現住戸

 

野方団地(東京都中野区、1959年入居開始):スターハウス建設数2棟、現存2棟

野方団地 スターハウスを置くことで変化のある景観をつくり出している

都心近くでスターハウスが奇跡的に残る団地です。小さいながらも心地よい住環境が整備されています。中野キャンパスに通うならばここに住みたい、とは学生の感想です。ここでもやはりゆるやかな斜面の途中にスターハウスが建っています。

スターハウス研究に取り組む石川君(4年生)と時久君(修士1年)

吉田研学外ゼミを行いました

【出版】田村裕希准教授が作家の角田光代さんのために設計した本棚が住宅特集2019年7月号に掲載されました。

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