大学院授業「建築史特論I」(海老澤模奈人教授)の一環として、4月28日に鎌倉の建築見学会を行いました。
建築史特論Iの今年度のテーマは、1919年にドイツに設立された造形学校バウハウスの100周年にあわせて「バウハウスとその時代」とし、草創期の近代建築を多面的に理解することを目標としています。今回の見学会では、日本の戦後モダニズム建築の代表作のひとつである旧神奈川県立近代美術館(坂倉準三設計、1951年竣工)を訪ねました。この建築は近年修復が進められ、再生されました。新たに鎌倉文華館・鶴岡ミュージアムとして開館するのにあわせ、期間限定で公開されています。
参加者からは上野の西洋美術館よりもル・コルビュジエっぽいという声も。坂倉準三は近代建築の巨匠ル・コルビュジエの弟子として知られています。確かにシンプルな白い箱が柱に支えられて建つ様子は、ル・コルビュジエの初期作品を彷彿とさせます。しかしそれが神社境内の池に面して建つ姿には和の趣きも感じられます。戦後の困難な状況のなかでこのような洗練された建築が実現し、今日まで守られ、保存再生されたことに敬意を表したいと思います。
鶴岡八幡宮と建長寺伽藍も見学しました。留学生の皆さんにとっては日本の伝統建築に触れてもらう機会になったと思います。