英語学習が苦手とする人は、単語を覚えないといけない、覚えられない、覚えるけどすぐ忘れてしまうという問題をかかえているようです。単語はどうやって覚えればいいですか(1年、2年 多数)という質問・相談をよく受けます。
ここで、単語は脳の中にどのように記憶されるか考えてみましょう。私たちの頭の中にある辞書を「心的レキシコン」と呼びますが、語はそこに登録されていきます。そこには、それぞれの語の「形」「意味」「使い方」がセットで記憶されます。
和英対応の単語のリストだけを短時間で覚えてもすぐ忘れてしまうのは、「形」と「意味」だけで「使い方」まで記憶されていないとも言えます。単語リストだけで覚えるよりは、例文の中で覚えたり、テキストを繰り返し読んだりするほうが頭の中に残ります。また、そのように蓄積された知識があれば、初めて見た語の意味や使い方を予測できることもできます。
例文を書き出したり、単語をカテゴリー化して覚えるなど、ひと手間かけた覚え方を心がけてみてください。
参考 杉岡洋子(2009)「語の仕組みをさぐる」『はじめて学ぶ言語学』pp. 36-55.