工学部 基礎教育研究センター

外来語:バッグかバックか

学生さんの書いたものを見ていたら、言語学の分野で高齢者の特徴と言われる現象がいまだに若い人に根強く受け継がれている例がありました。 bagをバックと表記する学生さんが意外にも多いのです。これにはちょっとびっくりしました。英語学習が読み書き中心だった時代に学んだご年配に多い特徴と言われているからです。また、そのころは今ほど外来語が氾濫していなかった時代でもあります。

なぜbagをバックと言ってしまうか(書いてしまうか)は、日本語では促音のあとに、有声子音が続くことがまれなので、無意識のうちに日本語の発音規則におきかえているという理由があげられます。

似たような例として、ティッシュペーパーをテッシュペーパー、グッドバイをグットバイ、ティーバッグをティーパック、ハンドバッグをハンドバック、DVDをデーブイデー、今は死語ですが、ディスコをデスコと言う現象があげられます。英語が浸透してカタカナ語が氾濫するようになりこのような言い間違いは減ってきたはずですが、やはり促音のあとの有声子音は日本語にはないし、ディかデかの違いより目立たない音なので、言い間違いしやすいのでしょう。

一方、家電のビックカメラをビッグカメラというのは過剰矯正現象(hyper correction)です。バリで偉大なと言う意味のビックを社名に取り入れているそうですが、英語のビッグとおも似ているし、意味が同じなので、ビックというと高齢者の言い間違いのような気がして、ビッグとわざわざ直して言ってしまう現象です。

このような現象の解明は言語学の分野で扱っています。


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