10月31日はキリスト教の行事であるHalloweenの日です。今日のタイトルではHallowe’enとapostropheを入れましたが、これがもともとのspellingです。Hallowe’enは「すべての聖人の夜(all hallows’ even)」という意味ですから、聖人のというところにapostropheが入るのは英文法上正しい書き方ということになります。ここではevenはeveningの意味です。Halloweenというapostropheなしのspellingが最初に辞書に載ったのは、1786年ですが、今でも古めかしさを出すためにHallowe’enというspellingを好んで使う人たちもいます。
キリスト教文化では10月から11月へは、収穫の季節から暗く厳しい冬の季節へ移ると考えられていて、生と死がもっとも接近しているととらえられています。11月1日が聖人の日、11月2日が死者の日、その前夜祭として10月31日が「聖人の日の前の晩」としてHalloweenと呼ばれています。そういうわけで、Halloweenは亡くなった人が天国から戻ってくる日で「お盆」に似ています。メキシコでは、亡くなった家族や親せきが骸骨の姿で帰ってくると考えられており骸骨をかざるのが伝統的。
では、なぜ仮装を?ハロウィーンでは死者が戻ってきて歩き回っていることになっていますから、邪悪なものから身をまもるために仮装をするようになったようです。Jack o’lanternは、さまよっている死者を怖がらせるための提灯。
Trick or Treatと子供たちが町をあるく習慣ですが、もともとは下層階級の人たちがお祭り騒ぎでうっぷんを晴らすために、暴動やお店など破壊をしていたことが問題となり、その人たちのための慈善事業としてスタートしたそうです。町の掃除や修理のボランティアを申し出る人にお礼をあげるという習慣が、今では家々をまわってお菓子をもらうというスタイルになったとか。Trick or treatに関する最初の記録は1934年だそうですから、最近のことですね。 アメリカでは大人はパーティーなどで盛り上がるようです。
(重光由加)
参照文献 Paura Guran (Ed.) Halloween. Prime Books.
写真は横浜市の各西洋館で撮影しました。