研究で扱う物質の中には、大気中に含まれる酸素 (O₂) や水 (H₂O) と反応してしまうために、大気中で扱えない物質がたくさんあります。そのようなデリケートな物質を扱う場合に活躍する設備がグローブボックスです。
グローブボックスとは、グローブ(手袋)が取り付けられた密閉できる箱です。グローブは箱の内側方向に取り付けてあるため、箱の外から、箱内にあるものをグローブ越しに触ることができます。箱内は、空気を排気し、代わりに物質と反応しないアルゴン (Ar) 等の気体が注入されます。グローブボックスには簡易的なものから本格的なものまであり、素材もステンレスやプラスチックのものがあります。扱う物質がどれぐらい酸素や水に敏感かによって、必要となる性能が変わってきます。無機材料化学研究室では、これまで、簡易的なグローブボックスを使用してきました(下の写真)。気軽に使えるので、とても便利で、これが3代目になります。
しかし、新しい実験を始めるにあたり、もっと高性能なグローブボックスが必要になりました。酸素や水をもっと完全に除去する必要が生じました。そこで、電気電子コースの内田研究室にあった、現在は使用していないグローブボックスを譲っていただき、改造することにしました。小型なので、空きスペースのない無機材料研究室にも入ります。
10月初めの雨の日に、グローブボックスが梱包されて運ばれていきました。
今はメーカーの工場で改造されていることでしょう。12月初めに戻ってくる予定です。楽しみでです。戻ってきたら、また紹介します。