今年度の特別講義シリーズが始まりました。
建築コースの初回となる6月29日 (土)、ご登壇いただいたのは、河野直さん(つみき設計施工社 代表)と飯石藍さん(公共R不動産メディア事業部マネージャー、株式会社nest取締役)のお二人。
河野さんのレクチャー「ともにつくる建築と教育の実践」は、「君たちはどう生きるか」の問いかけから始まり、参加型リノベーションの工務店を大学院修了後に立ち上げるに至った経緯と思い、市川という地域に根を張り活動を続けていくなかで得てきたこと、故郷三原市の佐木島で新しくスタートさせたデザインビルド教育「The Red Dot School」の挑戦へと、話がグイグイ進んでいきました。「つくる」という行為は、よろこびとパワーに溢れている。そのメッセージが強く心に残りました。
飯石さんのレクチャー「暮らしを、まちを、公共空間を耕す」では、「公共R不動産」と「IKEBUKURO LIVING LOOP」の2つの取り組みを通して、公共空間を「耕す」ことの意味と方法について語りかけていただきました。ルールや制度でがんじがらめになった公共空間を人々の居場所として取り戻していくには、「小さく始めて、耕しながら、じわじわ広げる」「ハードありきで考えない」「実験を繰り返す」「面白がる」というアプローチが大事になる。これからのまちや暮らしを考えていく上で欠かせない視点だと思います。
お二人のレクチャーで共通して語られたのは、「設計する人」「つくる人」「使う人」の関係がいま大きく変わっているということ。これから建築を設計する/つくる世界に飛び出していく学生にとって、学ぶところが多い一日となりました。
レクチャーは6月29日 (土)、厚木キャンパスで行われました。
前半は河野さんのレクチャー、「ともにつくる建築と教育の実践」。
後半のレクチャーは、飯石さんの「暮らしを、まちを、公共空間を耕す」。
講義後のディスカッション。学生から次々と質問が飛び出しました。
お二人の著書。河野直・権藤智之編著『建築をつくるとは、』と、馬場正尊・飯石藍ほか編著『公共R不動産のプロジェクトスタディ』
ミドラボのフィールドである緑ヶ丘団地も視察していただきました。
講義後の懇親会。学生の研究や人生の相談にも乗っていただきました。
みんなの世界を広げてくださった河野さん、飯石さん、すばらしい講義をどうもありがとうございました!
次回は9月21日 (土)、大阪府住宅供給公社の田中陽三さんと神奈川県住宅供給公社の茶屋道京佑さんをお招きして、団地再生についてレクチャーいただく予定です。