伊藤剛教授の論文『多段階フレーム試論 ――目のひかりからコマへ』が収録された、マンガ研究論集『マンガ視覚文化論――見る、聞く、語る』が刊行されました。編者である鈴木雅雄教授(早稲田大学)主催の連続ワークショップを元にしたもので、マンガという表現を多角的に、かつ深く掘り下げた研究書です。
伊藤教授がここ数年間行ってきた考察をまとめた論文で、マンガにおけるコマ枠など線で枠どられた領域の多層的な重なりを、キャラの主線、目、瞳、ひかりまで包括したモデルを提唱するものです。
同書には、夏目房之介・三輪健太朗・岩下朋世・細馬宏通・泉信行・佐々木果・森田直子・宮本大人・石岡良治という著者が参加しており、まさに「マンガ研究の最前線を走る12名によるマンガ論のハードコア!!」(水声社の紹介文より)というものです。かなり専門性の高い本ですが、マンガについて考えようという人や、マンガで論文を書こうという人には、今後の必携となる一冊でしょう。
サイト:水声社(http://www.suiseisha.net/blog/?p=6672)
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