芸術学部 基礎教育

あつぎ協働大学「「現代社会の発展と英語-グローバル時代の英語力」

こんにちは、基礎教育助教の橘野実子です。

6月11日にあつぎ協働大学の第3回として、「現代社会の発展と英語-グローバル時代の英語力」という題で話をしてまいりました。時代の変化の中でどのように日本人が英語と関わってきたかを概観し、「現代における英語」と「英語の今後」を考えた内容となっています。また、具体的な英語習得の方法もお話してきました。

日本と英語の関わりはそれほど長いものではなく、1808年にイギリスの軍艦フェートン号が来航して大騒ぎになって以来、200年程度の歴史にすぎません。それまでは西洋への窓はオランダ船を通じて開いていたので、通訳たちもオランダ語しか話せませんでしたが、世界の中での英語の重要性が認識されて、一気に英語ブームが巻き起こりました。それは通訳の世界だけの出来事ではなく、明治になる頃には、英語を学習して先端的な技術と知識をものにしようと、一般の学生達も英語と英学を志すようになったのです。

しかし、それもつかの間、明治も後期に入ると優れた翻訳のおかげで英語がなくても勉強できる時代になり、多くのエリート学生(大学生や高校生)たちにとって、英語はつらい暗記科目になってしまっています。そうなると、英語を廃止しろという意見や、簡単な英語だけ教えろという意見、逆に英語ですべて授業をしろという意見などが飛び交い、現代に至るまで、「英語を学校でどう扱うか」という議論は繰り返し起こっています。公用語が英語ではない日本では、「英語」はできるに越したことはないけれど、絶対にできなくては困るものでもない、という非常に中途半端な位置に置かれてきたようです。

とはいえ、現在は、グローバル時代と言われ、英語がもっと必要になりそうだということで、ある有名企業では英語公用語化を進め、文科省の方針では英語学習の開始年齢を下げ、国民全体の英語力を短期間で上げよう、という方向になっています。英語教育界では小学校で英語を本格的に開始となると、逆に英語嫌いを増やすのではないか、教員養成が間に合わないのではといった懸念が出ていることも紹介し、日本社会における英語について考える材料を提供しました。

最後に、英語を身につけたい方のために、社会人のための(学校に行かなくてもできる)英語学習法も紹介しました。聞いているだけで英語の達人になるといった夢のような学習法はいまだありませんが、(1)時間、(2)やる気、(3)上手な目標設定、が大人の英語習得の鍵です。ラジオ講座などで学習のリズムを作りながら、やる気の出る方法で達成可能な目標を目指して継続するのが一番です。以前のブログ記事でご紹介したような多読と精読の併用や、比較的易しい内容の映画の鑑賞、日記、英語ブログやSNSなどがおすすめです。

この学習法は、もちろん社会人限定ではなくどの年齢の人にも効果がありますので、このブログを読んでいる方々も挑戦してみませんか?

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