カラボギャラリーの2021年度後期企画展「陰翳の中の色彩美」のディレクションを何と、工学部の森山准教授がディレクション(企画から監督のすべて)を担当しました。日本人の光や色の感覚は本来、陰翳(いんえい)の中にあって、生活文化のすべては暗がりに適応して美しい色彩美を創り出してきたというものですが、森山准教授は、それがちょうど現代の若者の苦悩に通じていると説明しています。
それは、食事をすれば食リポを求められ、何か話をすればオチを求められる日常生活は、ちょうど部屋の隅から隅を照らす西洋の照明文化のようで、現代人は本当の自分でいられずに疲弊しているのではないか?というのです。本当の自分はそんな食リポやオチをいつも求められるようなものではなく、陰翳の中のかすかな光のようにはかなく地味で繊細なものでいて良いのではないか?そんな自分を大切にして良いと、誰かが教えてくれたら楽になるのではないだろうか。そんな思いをこの企画展に込めたそうです。
会期は2021/12/17(金)から2022/3/25(金)まで。実寸大の能舞台に織物技術の粋を集めた唐織の能装束、そこには茶の湯の床の間と共に、時間帯に応じて陽光の変化するのを模した高演色LED照明が間接的な優しい光を投じています。場所は、厚木キャンパス12号館2階で、予約制なので本館1階の庶務課へ問い合わせるとどなたでも入場できます(もちろん無料)。
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