昨日に続き7月28日に投稿した問題の解説と回答例を示します。
問題は以下のものでした。
2 次の会話のTakuyaくんは不適切な応答をしています。英語のスタイルにふさわしくなるように直してみましょう。
John: I had to travel from New York to Nagoya, but not on a direct flight.
Takuya: Yes.
John: It was really a long trip, though-36 hours! I went to Toronto first and changed planes there. Then I flew to Vancouver.
Takuya: Yes.
John: I spent one night in Vancouver. I flew to Narita the next day.
Takuya: Yes.
John: Unfortunately I couldn’t catch a plane to Nagoya, so I got on a bus to Tokyo Station and came to Nagoya on a bullet train! It was such a hard trip!
Takuya: Yes, Yes.
Takuyaくんはずーっとyes と相槌を打っています。日本語の感覚で言うと「はい」や「うん」、ていねいな感じだと「ええ」になるでしょうね。
みなさんはJohnさんがどのような話をしているかわかりましたか? JohnさんはNew Yorkから名古屋に行くのに直行便がなかったのか、まずNew YorkからカナダのTorontoに行き、そこからVancouverへ飛びました。ところが、一気に行けなかったのでVancouverで一泊し、翌日日本へ向かう便に乗ったのですが、あいにく行き先はセントレアではなく成田!成田からリムジンバスで東京に行き新幹線に乗ってやっと名古屋へ。36時間もかかったという話です。位置関係がわからない人は地図帳を出して確認してみてください。ずいぶんと遠回りで、Johnさんの大変な思いが伝わってきます。
しかしです!Takuyaくんは、それに対してyes, yes。これはJohnさんにはどのように聞こえたでしょう?
日本語では、相手の話が一通り終わるまでは簡単な相槌だけで黙って聞き、結末まで行ったあたりで「大変だったね」とコメントを言ったり、「どうして直行便がとれなかったの?」と質問したりすることが多いですよね。日本語では人が話しているときにいちいち口をはさむ方が失礼な感じがします。
英語の場合は相手に「共感している」ことを伝えるのがあいづちです。しかも、あいづちの「はい」の意味でyesというのは実は間違いです。yesは相手に同意を示している意味になるからです。きっとJohnさんから見るとTakuyaくんは話をわかっているのか、興味がないのか、つまらない奴だなあと思ったかもしれません。
次のように変えてみたら英語にふさわしいスタイルになります。
John: I had to travel from New York to Nagoya, but not on a direct flight.
Takuya: Oh, you missed a direct flight. That’s too bad.
John: It was really a long trip, though-36 hours! I went to Toronto first and changed planes there. Then I flew to Vancouver.
Takuya: No kidding.
John: I spent one night in Vancouver. I flew to Narita the next day.
Takuya: You spent one night? That’s terrible!
John: Unfortunately I couldn’t catch a plane to Nagoya, so I got on a bus to Tokyo Station and came to Nagoya on a bullet train! It was such a hard trip!
Takuya: How awful! I’m sorry to hear that.
参照文献 Mami Otani, Kazuyo Murata, Yasumi Murata & Yuka Shigemitsu (2009) Keep Talking: Strategies for Interpersonal Communication. Macmillan Languagehouse.