工学部 基礎教育研究センター

Happy graduation

昨日は桜が満開の中、工学部の学位授与式が行われました。

英語研究室から1名の卒業生、日直清(ひじききよし)君が巣立ちます。

日直君は「対人関係に着目した日本語とタイ語の謝罪表現」の卒論を書きあげました。謝罪表現は語用論で着目されている研究対象です。

「ごめんなさい」は直訳すれば、英語では ‘I’m sorry’、日直君の調べたタイ語ではขอโทษครับとなりますが、謝罪のような人間関係を修復するための言語行動には、その文化・社会の暗黙裡のやりかたがあり、日本語とタイ語では大きく違います(ちなみに日本語と英語も異なります)。

日直君は日本人の大学生30人、タイ人の大学生30人に、いろいろな場面を示したアンケート調査(談話完成テスト(Discourse Completion Task (DCT)))を実施しました。

その結果、特に目上の人に対する謝り方の違いがはっきり現れ、日本語母語話者は〈過ちを認める表現〉を多く使用し、タイ語母語話者は過ちを犯した原因〈理由提示〉や相手から許しを求める〈依頼〉のmoveを多く使用することがわかりました。

そして日本語母語話者がタイ語で謝罪する場合、日本語でするように謝罪定型表現だけは謝罪とは受け取られない可能性があり、逆に、タイ語母語話者が日本語で謝罪する場合、タイ語でするように理由を述べたり許しを求めたり何も言わなかったりすると心から謝罪していると受け取られないのではないかと考察しました。

母語では礼儀正しいと考えられる言い方も、異なる言語では失礼に受けとられることがあるので、外国語学習では語彙や文法だけでなく、その言語の文化を知り、場面に合った表現を使いこなすことの必要性も主張しました。

卒論発表会の様子(Feb 25, 2013)

日直君は卒業後オーストラリアで勉強を続けます。

科研成果発表 無事終了

新入生をお迎えする準備をしています

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