工学部 基礎教育研究センター

異文化間コミュニケーション力をつける

白髪で高齢の女性が重い荷物を持ち、車の多い通りをすぐ近くの家に向かって歩いている。

それを見たAさんは、その女性に近づき荷物を持ってあげて家までついていった。Bさんはしばらく見ていたが、何もしないで歩き去った。Aさん、Bさん、どちらの行動が好ましいでしょうか。

これはあなたの価値観が集団主義か個人主義かを測る問題です。

Aさんと答えた人は、集団主義の人です。集団主義の文化は同時に階級社会の文化です。Aさんの文化では、ご年配の方を敬い、手助けをするのが当然という考えがあります。

Bさんと答えた人は、個人主義の人です。個人主義とは自立が尊重される文化ですから、自分のことは自分ですることが基本です。高齢の女性が自分でなんとか帰れそうなことをしばらく見て確認して立ち去っています。また、個人主義は平等主義の価値観を持つこともおおいのですが、若い人でも年配の人でも、年齢で違う対応をとることは「年齢による差別と考えます。

ちなみに、日本人の多くはAさんを好ましいと考えますので、日本は集団主義で階級主義の価値観の傾向があります(もちろん、個人個人に多少の違いがありますが)。

大切なのは、自分の文化の価値観の物差しで、他の文化の人の行動を解釈したり判断したりしない、他の文かは、その文化の価値観に応じた解釈を試みることです。(重光由加)

『文化と会話スタイル』フィッツジェラルド著から紹介しました。(東京工芸大学生協にもおいてあります)

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