1年次の領域演習「イラストレーションⅠ」では、毎年舞台や映画、歌い手として活躍されている方々をお招きしてモデルクロッキーを行っています。
画材は鉛筆と消しゴムのみ。1ポーズ10分で、どんどんと次のポーズを描いていく方式です。「美しいに気づく」それがまず大事なことだと考えています。
我々は作り出したものが作品ですが、ミュージシャンや俳優の方々は自己媒体、体自体が作品です。プロポーションやコスチュームを追うだけではなく、楽器を持つ手や、舞踏の所作など学ぶところがたくさんあります。プロフェッショナルの方々を直に見て描くことができる大変貴重な機会です。
みんな一生懸命取り組んでいます。駆け出しとはいえ学生も同じクリエーター、きっと得るものも多いことでしょう。そして、教員も一緒に描きます。同じモデルさんを見て、その分野の先輩である教員がいったいどう描いたのか。それを体感することで技術や感性を向上させていく、それもまた工芸大学の実践的な勉強方法だと思います。