芸術学部 基礎教育

リレー連載・今月の1枚7

今年度のリレー連載は、基礎教育の教員が目を引いたり、皆さんに紹介したい光景などをもとに文章を綴ります。

今月は大島武先生にご寄稿いただきました。


こんにちは、大島 武です。

学部では「情報倫理」「プレゼンテーション基礎演習A」など、大学院では「研究技法特論」を担当しています。基礎教育の科目が不足している学生さんは、是非次年度にでも履修してみてください。

今月紹介するのはキリっとした女性の写真。これは私の母が20歳くらいの頃のものです。

母はもともと服飾デザイナーになりたくて高校卒業後は横浜ドレスメーカー女学院(現:横浜高等教育専門学校)に進学しました。学内の作品発表の場であるファッションショーにモデルとして出演したところ、業界の方の目に留まってスカウトされ、松竹の専属女優となりました。その後、紆余曲折ありながらも90本以上の映画に出演し、テレビ番組や舞台にも登場、父(映画監督の大島渚)が倒れて介護に専念するまで、それなりに活躍してきたと思います。一番親しかった雑誌のカメラマンが本学出身者だったこともあり、私が当時の東京工芸大学女子短期大学部に就職したときには、「あー、写真の大学が母体ね」と喜んでくれました。今では大島新教授(映像学科)とともに息子二人がお世話になっており、「工芸大学さんには頭が上がらない、感謝感謝!」と常々申しております。

 さて、自分の学生時代、「お母さんが美人で羨ましい」と友人からよく言われました。その都度私は「母親に美を求める? お母さんっていうのは優しくて美味しい料理を作ってくれて、風邪ひいたときとかにそばについていてくれる、そういう存在でしょ。そっちが大事じゃない?」と反発したものです。これは9割ホンネでした。自分はずっと祖母に育てられており、忙しい母には構ってもらえない、自分はあまり愛されていない、と感じる部分もあったのです。明治生まれの祖母が長男の私を優遇しがちなので、母はバランスを取るために弟の方をフォローしていたらしいのですが、子どもの私には理解できていませんでした。

 時は流れ、間もなく90歳を迎える母とは週に一度我が家で食事を一緒にし、時々やきとり屋でサシ飲みするのも楽しみです。60歳を超えて子どもの頃の喪失感を埋め合わせているのかもしれません。先ほど9割ホンネと書きましたが、母が美しく素敵な女性であることが、やはり少し嬉しく誇らしかったような気もします。今ではたくさん病気も抱えていますが、「楽しいことばかりして自己免疫力を高める」とポジティブで、なかなかイケテルお婆さんだと思います。

 小川真人先生の大変ためになるブログの翌月にグダグダな内容で申し訳ありません。私のマザコンぶりに更に呆れたい方は、以下もご覧ください。

https://www.gurutto-mama-shonan.com/detail/1417/news/Interview-13525.html

リレー連載・今月の1枚 6

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