芸術学部 基礎教育

リレー連載・今月の1枚 4

今月は牟田淳教授に原稿をお寄せいただきました。


私は毎日、娘に沢山の絵本を読んでいるのですが、絵本について、工芸大の先生方が関係する話題がありましたので、その際に私が感じた事を紹介します。

笠尾先生 フカヨミ教室の話を聞いて感じたこと

 私はこれまで、「絵を鑑賞する」と言うことが苦手でした。美術館などに行くと、絵画作品をじっくり見ずに、数秒だけ見て次の絵を見ていました。どうしたら絵をじっくり鑑賞できるのかなあと考えていました。

 ところが先日、本学デザイン学科笠尾先生と映像学科の高山先生と私の3人で芸術学部の教員対談でご一緒させていただく機会(リンク先:KOGEI talk #03)がありました。その際、笠尾先生はyoutubeで絵本の深読みの話をされていました。その時話題に上ったのは、「子供の頃は絵本を読んで色々感じていたのに大人になると読まなくなってしまう。大人になっても絵を読むことを教えたい」という件でした。私はこれが原因だと思いました。つまり、私が絵を鑑賞するのが苦手なのは、私が絵をあまり見ないで文字や数式を見て考えているからだったのです。そういえば美術館に絵を見に行っても、絵でなく絵の説明の方ばかり見ていました。

 でも子供は違います。2歳くらいの子供は文字が読めないので、絵をまじまじと見るんです。そういうわけでこの笠尾先生との対談後、子供には無理に急いで文字を教えるのをやめ、絵本を見て色々いっしょにお話をするようにしました。絵本を見て「ひぐらしはどこにいるの?」とか「えびさん何匹いるかな?」とか「桃色の空(夕焼け)だ!」とか色々お話しするのです。文字を読むのではなく、絵だけを見て、深く考えたり会話する事は私たちにとって重要なのだと気づかされた対談でした。

 そういえば私が義務教育で受けてきた美術教育は、絵を描く事が主でした。絵を描くことはもちろん重要ですが、絵をよく見て、自分なりに考えたり感じた事を言葉にする教育をもっともっと受けたかったなあと個人的に思う次第です。

リレー連載・今月の1枚 3

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