基礎教育助教の小田珠生です。
夏本番ですね!どうか怪我等に十分に気を付けて有意義に夏休みをお過ごしください。
さて、ちょっと遅くなってしまいましたが、……。
去る6月25日、本学厚木キャンパスに於いて行われた2016年度あつぎ協働大学「現代社会発展の鍵を探る―おとぎ話から経済まで―」の第5回のご報告をさせていただきます。第5回は、私小田が「持続可能な発展と日本語教育」というテーマでお話しさせていただきました。
グローバル化による世界規模の競争は急激な社会変動をもたらしました。食生活や雇用形態の変化、格差の拡大、農業人口の減少、……そして、人々の中央都市や第二言語環境への移動の増加や人間関係の希薄化は、言語が十分に機能しない社会を生み出したと言えます。
以前の記事で、「言語活動は、人間活動そのものである」というお話をさせていただきましたが、言語が十分に機能しない社会は、決して持続可能とはいえません。しかしながら、このような未曽有の事態への具体的な対処方法を教えてくれる先人はおらず、変動する価値観の中で世代間教育は困難を極めています。
今回は、そのような中で、日本語教育がどうあるべきか、どのような役割を担えるかということについて、私が中国にいたときに大学で行った実践と大学院時代に参加していた年少者日本語教育の実践を一例としてご紹介しつつ、少々の理論を踏まえながらお話ししました。
そして最後に、1.言語は「言語そのもの」として社会と切り離されているものではなく、また言語教育=人間教育であること、2.言語教育においては「即戦力」としての能力のみを追求するのではなく、長期的な視野をもって臨むことが必要であること、3.言語は頭の内外のネットワークを構築するものであること、を確認してまとめとしました。
私は小学生の時から厚木に住んでいるのですが、ご参加の皆様の中にはやはり小学校や中学校の先輩がいらっしゃって、うれしく思うとともに大変緊張しました(実は、私はあつぎ協働大学の講義を担当させていただくのは今回が初めてでした)。
けれども、皆さま大変温かく、かつ熱心に私の話を聞いてくださって、改めて厚木はすばらしいところだと感動した次第です。
ご参加の皆様、本当にありがとうございました。