芸術学部 基礎教育

リレー連載7月号:「海外の学会にて」

*この記事は、松中義大 基礎教育准教授が執筆しました

リレー連載7月担当の松中です。

今年のリレー連載のテーマは「私の日常」ですが、私にとっての7月の日常は、海外の学会へ参加するという、非日常的な事柄です。

大学の教員は、学生への教育だけでなく自分の専門分野についての研究も大切な仕事です。その研究について学会での発表や論文などで公表するのが一般的です。日本の教育機関では4月から翌年の3月までを1年と考えますが、欧米では9月に始まって翌年の6,7月に終了するのが一般的なため、授業が一段落し、かつ夏休みが本格的に始まる前のこの時期によく学会が開催されます。このため、ほぼ毎年この時期に学会出席のために海外へ出かけるのが慣例となっています。

今年は、7月の初旬にドイツのベルリン自由大学で開催された Research and Applying Metaphor (メタファーの研究と応用)という学会に参加しました。この学会はメタファーについて様々な分野の研究者が集うことできわめて学際的な学会です。私は言語学の側面からメタファーの研究をしていますが、今回は映画、建築、広告、教育などの研究者が集まり、メタファーの幅広さを体感しました。

その後、いったん帰国して、現在イギリスのバンガー大学に来ており、イギリス認知言語学会に参加しています。イギリスの言語学者が中心となってはいますが、国際的に開かれた学会でおよそ30カ国から言語学者が集まっています。この学会では、言語を認知や思考などの一般的な認知能力との関連で解き明かそうという認知言語学の枠組みで研究する学者が自分の研究を発表します。

それぞれの学会で自分の研究について発表し、聴衆から質問を受けコメントをもらうことがとても刺激になりますし、また、他の学者の発表から今後の研究のヒントを得ることも出来るので大変有意義な時を過ごしています。

さて、このバンガーは、イギリスのウェールズ地方にある町です。イギリスは事実上英語が公用語ですが、地方によってそれ以外の言語を公用語としており、ウェールズ地方はウェールズ語も公用語となっています。このため、標識や掲示などは英語とウェールズ語の2カ国語表示となります(写真は大学内の建物にあった案内板)。

ウェールズ語は、英語とは違う言語のグループに属していますので、大変見慣れない(聞き慣れない)言語です。日常的にはウェールズ語よりも英語の方が幅をきかせていますが(ウェールズ語が話せる人はこの地方の人口の2割程度)、それでも小中学校でのウェールズ語の授業や、テレビ・ラジオでのウェールズ語のチャンネルの存在など、大切に守り続けています。

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