基礎教育教授 石川健次
〝小田急沿線の美術館散歩〟をテーマに3月中旬、講演を行いました=写真。
小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区)が、小田急グループカード「OPクレジットカード」の会員を対象に、今年2月から開始した企画「まなたび」の一環です。
同社によれば、「まなたび」とは大人のための「学び」と「旅」を提供するオリジナル企画です。健康や食、美術・芸術、音楽、文学・歴史など多彩な分野で、大人の今だからこそできる自分の知らなかったこと、いい繋がりに出会えるさまざまな講座や体験教室、旅のプランが用意されています。それらの講座の1つとして、上記のテーマで講演をさせていただきました。
そもそも今回の講演は、昨夏に本学の中野キャンパスで開かれた「東京工芸大学シーズ展示会」がきっかけです。同展示会は、本学の社会貢献の一環として、本学教員の作品展示などを通して産学官の連携や地域ニーズの掘り起しなどを図るために開催されました。会場にお越しいただいた小田急電鉄の方にお会いし、さまざまなお話しをさせていただいたのが縁でした。
本学の厚木キャンパスは、小田急線の沿線にあるため、学生はもちろん、教職員もみな小田急線を利用しているといって過言ではありません。今回、講演に備えて沿線の美術館を調査し、また改めて訪ねるなかで、利用者の一人として私も沿線の魅力を新たに発見、あるいは再発見するいい機会にもなったと感じています。
小田急線相模大野駅に隣接する小田急ホテルセンチュリー相模大野での講演では、小田急沿線に点在する大小たくさんの美術館のなかから、箱根・芦ノ湖畔に建つ〝芦ノ湖と富士の見える日本一の絶景〟で知られ、現代日本画のコレクションで定評のある成川美術館や、最近発見されるまで長く行方が分からず〝幻の歌麿傑作〟と謳われていた喜多川歌麿の≪深川の雪≫など有数のコレクションを誇る箱根・小涌谷の岡田美術館、〝宮永美人画〟と呼ばれる女性の肖像で知られ、「ペンテルくれよん」などのパッケージデザインでも有名な画家、宮永岳彦を顕彰する個人美術館で、小田急小田原線鶴巻温泉駅から歩いてわずか2分の場所にある秦野市立宮永岳彦記念美術館など、個性的、ユニークな美術館を中心に話をさせていただきました。
90分の予定でしたが、受講した方々の熱心なまなざしについ調子に乗り、30分もオーバーしてしまいました。受講された方が全員女性だったのはちょっと驚きましたが、和気あいあい、とても楽しい2時間でした。