芸術学部 基礎教育

あつぎ協働大学 第2回「科学の世界が切り開く希望と未来」

*この記事は、6月7日のあつぎ協働大学について牟田淳准教授が執筆しました。

「科学の世界が切り開く希望と未来」   牟田淳

科学には希望と危険の二面性がある

科学には希望と危険の二面性があるとおそらく世間的には考えられているのではないでしょうか?例えばロケット技術の進歩によって人類は宇宙空間に行くことができるようになりましたが、その一方でロケット技術は軍事力に利用される危険性も指摘される場合があります。
それではそもそも科学における希望とはいったい何でしょうか?実はロケット技術の例は、科学(サイエンス)の希望というよりも、工学(エンジニアリング)の希望と言ったほうが正確かもしれません。

科学における希望とは?

混乱を避けるためこの講義では工学ではなく、技術に応用されていない科学を科学として扱いました。そして科学における希望を説明するために、ポール・ゴーギャンの「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」というタイトルの作品を紹介しました。科学における希望とは、このタイトルのように、「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」を知りたいと望む気持ちのことです。そこで講義では、私たちの住む世界の過去、現在、未来の大まかな様子を紹介しました。

過去の世界

私たちの世界はどのようにして始まったのか、これは聖書、日本書紀ほか世界各地の神話などでもしばしば登場する話題です。宇宙は138億年前の火の玉宇宙の大爆発、ビックバンによって始まったとされていますが、ビックバンの前にあったとされるインフレーション理論や量子宇宙などについても紹介しました。

未来の世界

私たちの世界は未来どうなるのか、これは神話などでもしばしば登場する話題です。私たちが描く未来像は、最近の1998年に大きく変わりました。それは、「宇宙が加速的に膨張している」というものです。2011年に、この宇宙の加速膨張を発見した功績により、ソウル・パールムッター、アダム・リースおよびブライアン・シュミットがノーベル賞を受賞しています。

現在の世界

私たちが住む世界については、見る大きさをいろいろ変えて私たちの世界を紹介しました。まず1mm程度までの肉眼で見える世界。1mm程度の世界には雪の結晶などがあります。さらに小さい世界は光学顕微鏡で見える世界、さらに小さな世界として順番に可視光の世界、分子・原子の世界、原子核の世界、素粒子の世界、超ひも(未発見)の世界などを紹介しました。また、太陽系、星の世界、銀河系の世界なども紹介しました。
科学そのものの未来
また、素粒子、原子核、宇宙に関してこれからのこれらの科学についてもいくつか紹介しました。これらの科学は例えば超ひも理論に代表されるようにいまだに多くの謎に包まれていることなどを、それぞれの分野で具体例をあげて紹介しました。

かなり広い分野を短時間で説明しましたが、理系リテラシ―の高い世代の方々も多く、活発なご質問がございました。どうもありがとうございました。

公開講座 第4回「メディアとコミュニケーション」

あつぎ協働大学 第3回「西洋美術における『希望』のイメージの歴史」

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