基礎教育 平山敬二教授と小川真人准教授がそれぞれ監訳・翻訳を担当した、マルティン・ゼール『自然美学』が刊行されました。平山教授を代表者とする科学研究費助成事業『環境美学における自然美の哲学的基礎付け』(2009-2011年度、研究課題番号:21520112)の成果のひとつです。
□ 書籍情報
* マルティン・ゼール著、加藤泰史・平山敬二監訳『自然美学』(叢書ウニベルシタス1002)、法政大学出版局、2013年12月
* 四六判 / 500ページ / 上製
* 定価:5,000円 + 税
* ISBN:978-4-588-01002-6 C1310
* http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-01002-6.html
□ 内容紹介
なぜ、われわれは自然に対して好感を抱くのか。もはや内的な意味が信じられていない知覚にとって、自然の感性的な魅力はどこにあるのか。自然をいたわることが人間世界の保護に行き着くのはなぜか。なぜ、自然美は人間的実存がその生をうまく成就できるような範例的な場所であるのか。自然を美的に知覚する可能性を体系的・規範的に記述して、美学と倫理の問題に新たな展望を切り開く。
□ マルティン・ゼール(Martin Seel)
1954年生まれ.ドイツ文学・哲学・歴史学をマールブルク大学とコンスタンツ大学で学び,»Die Kunst der Entzweiung«(「分裂の芸術」)によって哲学博士号を取得.1990年にはコンスタンツ大学に»Eine Ästhetik der Natur«(「自然美学」)を提出して教授資格を得た.1992年から1995年までハンブルク大学教授,1995年から2004年までギーセン大学教授を務め,2004年にフランクフルト大学理論哲学講座正教授に就任し,現在に至る.主な著書に,Die Kunst der Entzweiung. Zum Begriff der ästhetischen Rationalität(1985), Eine Ästhetik der Natur(1991,本訳書), Versuch über die Form des Glücks. Studien zur Ethik(1995), Ethisch-ästhetische Studien(1996), Ästhetik des Erscheinens(2000), Vom Handwerk der Philosophie(2001), Sich bestimmen lassen. Studien zur theoretischen und praktischen Philosophie(2002), Adornos Philosophie der Kontemplation(2004), Paradoxien der Erfüllung. Philosophische Essays(2006), Die Macht des Erscheinens. Texte zur Ästhetik(2007), Theorien(2009)など.