ゲームの国際学術カンファレンス「Replaying Japan 2016」がドイツのライプツィヒ大学で行われ、岩谷・遠藤両教授が基調講演を行いました。このカンファレンスは日本ゲームに関する研究をテーマとしていて、今回は80年代のゲーム制作に関するキーノートとなりました。
ライプツィヒは旧東ドイツに属する町で、市街地は文化遺産としての価値も高く、写真の道はこの町でオルガン奏者をしていたバッハも歩いたという道です。また会場となったライプツィヒ大学はヨーロッパで3番目に古い大学で、かの文豪ゲーテの出身校として知られています。
カンファレンスのオープニングは、まるでお城のようなライプツィヒ市庁舎で行われ、市長さんも挨拶するという歓迎ぶりで、その後大学でセッションが始まりました。ライプツィヒ大学はハッキリとしたキャンパスを持っておらず、街の中の建物に大学が入り込んでいるというか、街と大学が一体となっています。何と経済学部の隣にカジノがあるとか…。
そんなカンファレンス初日最初の講演で、パックマンのTシャツというお約束ないでたちの岩谷先生が、パックマンのゲームデザインに関して、トークイベントとは全く異なる学術的な観点から、時代に合わせたデザイン手法などを話しました。パックマンは世界的規模で大ヒットした岩谷先生の代表作で、今回の講演内容は今後のゲーム研究に大いに役立つ内容でした。
二日目最初の講演では、遠藤先生が80年代の代表作「ゼビウス」と「ドルアーガの塔」の制作過程について、企画書などの貴重な資料をまじえて話しました。ハードウェアの設計やメモリーの使い方など、パフォーマンスの低いハードウェアを、アイディアで使い倒した実例が紹介されました。
講演が終わった後の集合写真。左から遠藤、岩谷、このカンファレンスのチェアマンであるカナダ・アルバータ大学のロックウェル教授、80年代からナムコで音楽を担当されていた小沢純子さん、ファミスタの父として知られる東京工科大学の岸本先生。小沢さんは岩谷先生に続いて初日午後の基調講演で、80年代のナムコサウンドに関する話をハードウェアやドライバーも含めて話されました。ちょっとしたナムコOB会になってます。
カンファレンス後はケルンに移動して、世界3大ゲームショウの1つである「Gamescom」を視察しました。写真はライン川越しに見たケルン大聖堂です。
Gamescomは東京ゲームショウがゲームの発表会、E3が商談の場とすると、e-Sportsとしてのゲームの祭典です。会場はスタジアムのようになっていて、たくさんのPCが並べられた客席で、参加者が次々と入れ替わって対戦イベントを行っていました。ヨーロッパ各国から多くの人が集まり、ゲームの枠にとらわれないコスプレの人もいて、熱気に包まれていました。
最後は食べ物の話題で! ドイツではフランクフルトソーセージのことを「WURST」(ヴルスト)と言います。牛と豚のヴルストがあって、一番美味しかったのはチューリンガータイプの豚肉ヴルストでした。パンとソーセージの比率はこれがデフォルトですw