アニメーション学科

領域研究・小原秀一さん

Hidekazu Ohara12月1日に行われた授業、「領域研究」。今回ゲスト講師として来て下さったのは、アニメーターでアニメ監督の、小原秀一さんです。小原さんがこれまでどういう作品を作ってきたか、まずは作品の上映から始まりました。これがとにかく大変な分量。まずは膨大な量のCMから、続いてど迫力のオリジナル作品、そしてテレビ東京で放送中の「ふるさとめぐり 日本の昔ばなし」で制作された「桃太郎」、「根子岳の猫」までが、次から次へと上映されました。

Keikaku

圧倒的な美しさと大迫力の、オリジナル作品「圭角」

一つ一つの作品が悉く異なるスタイルで絵のタッチも全く違い、とても同じ人が制作したとは思えません。学生たちは一様に呆気にとられたような表情で、また大スクリーンで観るオリジナル作品の「圭角」や「エミネンス」の大迫力には圧倒されていました。小原さんは一つ上映が終わる度に軽くポツンと「こんな感じでやってきました」と仰るのですが、その一言の向こうに超人的な技とエネルギーが注がれていることは、誰にも一目で理解できます。

Eminence

壮大なスケールの切り紙風アニメーション「エミネンス」

大ボリュームの作品群を鑑賞したところで、いよいよ小原さんの講義へ…と思いきや、突然Q&Aへ。すると作品に大きな刺激を受けた直後だからでしょうか、学生たちから次々に手が上がります。有名な「スラムダンク」の資生堂AlephのCMについて、どのように制作したかというような技術的な質問もあり、大変興味深いお話が続きましたが、「なぜアニメーションを始めたのですか?」というストレートな質問に、小原さんは「絵が描きたくて始めたのが気の迷い。始めたら止めることが出来なくなりました。」と、冗談交じりに答えて下さいました。

HidekazuOhara更に質疑応答の中で、小原さんは「作品作りを、決して下請け仕事にしてはいけません。そしてギャラの交渉は、必ず自分でしましょう。自分がその仕事に注いだ労力に見合う額を、自分で堂々と求めましょう。」と仰いました。これはとかくアニメーションの業界では蔑ろにされがちな部分ですが、しかしこれからクリエイターとして自分の人生を切り拓いていく学生たちにとって、とても大切なメッセージです。

Hidekazu Oharaまた小原さんは、「私は発注者の期待に応えることだけでなく、更に相手をオッと驚かせるような何かをそこに加えるよう心がけてきました。それを続けていれば、必ずどこかで誰かが見ていてくれます。」とも仰っいました。学生たちを励ます素晴らしいメッセージの後、授業の最後に「目パチ」の講義です。様々なアニメーション作品に於ける「目パチ」、要するに瞬きの演技ですが、それがどういう時に行われるか、逆にどういう時には行われないか、という内容が、とても分かりやすく解説されました。これまで全く気付かなかったような小さな演技の中に、しっかりと意味があったことを学んで、今日の特別講義は終了しました。

アニメーションのクリエイターを目指す学生たちにとって、今日の授業は大変刺激的で、かつ実に有意義なものでした。小原さん、お忙しい中おいで頂き、本当にありがとうございました。

ゼミ調査書提出まであと1週間

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