アニメーション学科

領域研究・神志那弘志さん

Koujina photo5月19日に行われた授業、「領域研究」。今回のゲスト講師には、スタジオライブ社長で名アニメーター、TVアニメ「HUNTER×HUNTER」(日本テレビ版)の監督などでおなじみの神志那弘志さんが来て下さいました。お話はまず、アニメの仕事に就くということについてから始まりました。よく長時間労働が問題とされるアニメ界ですが、神志那さんは大好きなことを自分のペースで行うことが出来るアニメの仕事で、辛いと思ったことは一度も無かったそうです。

Koujina photo一方で低賃金については、以前に比べて単価は上がっているのにもかかわらず、画質が向上してより緻密な絵が求められ、その為枚数を多く描くことが難しくなってしまったことが問題と話されました。その他、絵の上手いアニメーターが絵コンテを描くと陥りがちな、描き込みすぎてしまう欠点のお話など、とても貴重なお話を伺った後、今度は実践的なパースの講義に移りました。

Koujina Photo神志那さんは持参したiPadを駆使してその場でスラスラと描きながら、カメラの高さ、水平線の位置、背景の基準となる長さの求め方など、論理的にそして具体的に説明して下さいます。

Koujina photo前後に離れて立つ、身長の異なる二人の人物では、一方の人物と同じ位置にもう一人の人物を仮に描き、その大小ある同一人物の身体の部位で全く同じ高さにあるポイントを見つけると、そこに水平線を引くことが出来ます。このような、実践的に活用できる考え方の重要なヒントを、短時間の中で要領よく説いて下さいました。

Koujina photo人物の後ろの背景を描く時も理屈は同じです。手前に立つ人物と同じキャラクターを、後ろの出入り口の位置に仮に立てます。その人物の身長が今度は基準となりますから、その人物より出入り口がどれくらい大きいかを考えていけば、人物より後方にある出入り口の大きさを正確に描くことが出来る訳です。神志那さんはこうした講座をこれまでにも数多く担当されていますから、説明はとても分かりやすいものでした。

Koujina photo授業終了後も学生が個別に質問に来たり、サインを求める学生もいましたが、神志那さんはじっくりと話を聞いて、「僕はサインだけというのはかえって嫌なんです。絵を描く人間なので。」と、一人ひとりに丁寧に絵まで描いてプレゼントして下さいました。貰った学生たちは大喜びでした。ゆったりと時間をかけて学生に接して下さった神志那さんでしたが、その後すぐにスタジオに戻って行かれました。本当は忙しい中で、あのように丁寧に対応して下さったことに、そこで初めて気付きました。神志那さん、本当にありがとうございました。

領域研究・杉井ギサブロー監督

「演出Ⅱ」課外授業

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