アニメーション学科

三善ゼミ「映像から受ける印象についてのアンケート調査結果発表会」

7月27日(金)に、今年も三善ゼミによる「映像から受ける印象についてのアンケート調査結果発表会」が、例年のように学内全てに向けてオープンで行われました。

アニメーション学科の三善ゼミでは一昨年より、「映像の中でキャラクターが移動する向きは、それを見る人が受ける印象に影響を与えるのか?」ということを調査し続けています。

今年は自主的に、TVアニメーション作品のオープニングとエンディングで、左右どちらに向かって流れる映像が多いかという調査を丹念に行ってくれた班もありました。右上の写真がその結果を示すグラフですが、右から左へ向かって流れる方が圧倒的に多いという結果が出ています。
これはヒトが「上手(画面の右)から下手(画面の左)へ 移動する」のを見た場合と「下手(画面の左)から上手(画面の右)へ 移動する」のを見た場合とでは、感じ方が異なるということが前提となって、作られているからです。
そこでこの「前提」について、実際に調査して確認してみようというのが目的です。

調査の方法や内容については、この記事の2つ前の投稿に書いてありますが、アンケートの主な質問は「2人のキャラクターのうち、どちらが主人公に見えますか?」「あなたの年齢は?(当てはまる年齢層に丸)」「あなたの性別は?」「あなたの利き手は?」の4問です。
全回答から見られる傾向と、細かく分けた年齢層、性別や利き手の違いなどによって傾向にも変化が認められるかどうか、 というようなことを分析しました。結果は左上の写真のグラフからも分かりますが、「左から右へ向かうキャラクター」と「どちらかというと左から右へ向かうキャラクター」と答えた人を合わせた割合が、逆の「右から左へ向かうキャラクター」と「どちらかというと右から左へ向かうキャラクター」と答えた人を合わせた割合を若干上回りました。この傾向は年齢層や性別、利き手の違いなどに関わらず殆ど同じでしたが、その差は小さく、はっきりした傾向が認められるとは言い難いレベルでした。

今回は2人の異なるキャラクターを登場させましたが、そのデザインで受ける印象に差が出ることを相殺するため、AB2人のキャラクターの「Aが右から先に登場するムービー」「Bが左から先に登場するムービー」「Aが左から先に登場するムービー」「Bが右から先に登場するムービー」と4パターンのアニメーションを作り、どれもほぼ同数ずつアンケートを採りました。その結果もう一つの要素として、「先に登場するキャラクターと後から登場するキャラクター」という差が生まれました。そこで、得られた結果を「左からのキャラクターが先に登場する映像を見た人の印象」と「右からのキャラクターが先に登場する映像を見た人の印象」にも分類してみました。
その結果、「どちらかというと」を含めると、 「左からのキャラクターが先に登場する映像を見た人」の64%は「左から右へ向かうキャラクター」を主人公と感じ、「右からのキャラクターが先に登場する映像を見た人」の61%は逆に「右から左へ向かうキャラクター」を主人公と感じるという、大変はっきりとした結果が現れました。
これは、映像の中での移動の方向より、むしろ登場する順番のような別要素による方が、印象に与える効果が遙かに大きいということなのではないかと考えられるということだと思います。

こうした調査結果は、今後きちんとまとめて発表していきたいと考えています。

4月からの4ヶ月間必死で頑張ってきてくれた学生たちは、やっと一息付ける気分でしょう。この間の君たちの成長を間近に見守って来ることができたのは、とても大きな喜びでした。さあ、いよいよ夏休みを迎えます!

1年生「基礎技法」(撮影)

広島国際アニメーションフェスティバル

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