本学科の野口教授が企画しているカラボギャラリー「色覚を考える」展の関連企画として、公開講座「色をめぐるレクチャーシリーズ」を開催しました。
本講義では、人や動物の色覚についてのお話を専門家の方々に伺います。今回は、魚類から霊長類まで幅広く色覚の研究をされている河村正二先生をお招きして、色覚の謎に迫りました。
公式サイト
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○2018年6月9日(土) 13:00~14:30(1時間半)
講座名:霊長類進化の視点から見るヒト色覚多様性の意味
講師:河村正二(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)
http://www.jinrui.ib.k.u-tokyo.ac.jp/kawamura-home.html
ヒトの色覚には「赤緑色盲」として知られる2色型色覚など、稀とは言えない多様性があります。一方ヒトに近い「旧世界霊長類」のグループは「正常」3色型ばかりで多様性はほとんどありません。ところが、もう少し遠縁の中南米に棲む「新世界ザル」は2色型と3色型の多様性の宝庫です。そして霊長類以外の哺乳類に行くと2色型色覚ばかりになります。さらに遠く鳥類や爬虫類では逆に4色型という想像を絶する色彩感覚の世界があり、魚類に行くと水深や上下角に合わせて色覚型を変えるなどの驚異的柔軟性に出会います。こうした進化の視点からは、ヒトの色覚多様性には意味がある考える根拠が見えてきます。そういったお話をさせていただきます。
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当日は、多くの方に来場していただき、みなさん熱心に講義に聞き入っていました。
次週の公開講座は、特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構副理事長の伊賀公一さんをお招きして、以下の内容でお話しいただきます。
講座名:人間の色覚の多様性と多様性に対応した配色 ~カラーユニバーサルデザインの手法と効果~