11月27日金曜日、他のゼミと同じ日に三善ゼミの校外学習も行われましたが、こちらは一風変わった取材旅行でした。
現在3年のゼミ生たちは、グループで「元の木阿弥」という言葉が生まれたエピソードについて、アニメーションとして制作しています。
元々はこの言葉、夭折した戦国大名、筒井順昭の死を隠すため、木阿弥という貧乏坊主が順昭の声にそっくりだったことから影武者に仕立て上げ、やがて跡継ぎが成長して、用済みとなった木阿弥は貧乏坊主に戻されてしまったという出来事から生まれました。
そのエピソードを気に入ったのか、江戸時代にこの「元杢網」を自分の名前にした狂歌師がいました。
そしてこの方、絵も描かれたということで、その6代目の子孫の方のお宅に杢網さんの肉筆の自画像が残されていることが分かりました。そこでゼミ生揃って埼玉県嵐山町の、金子さんのお宅に伺ったという訳です。
ゼミの課題アニメーションで制作する物語について実在の人物を扱うことはこれまでもありましたが、実際にその人物の子孫の方に会ったり、本人が描いた自画像を目の前にするなどという体験は、初めてのことでした。
金子さんは、約束の時間からかなり遅れて到着した私たちをとても優しく迎えて下さり、前もって準備しておいて下さった資料などについても大変丁寧に説明して下さいました。この場を借りて、心からお礼申し上げます。
いろいろ貴重なお話も伺って、まるで江戸時代にタイムスリップして、杢網さんご本人に面会してきたかのような錯覚を覚えるほど、杢網さんの存在感を感じ取って東京に戻ってきました。
取材というものがどういう意味を持つのか、改めて深く感じたとても貴重な体験でした。
3年生たちは、きっと素晴らしいアニメーションを完成させてくれることと思います。