アニメーション学科

卒業を迎える学生へ

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卒業して社会に出ると、会社員でもフリーランスでも必ず誰かと一緒に仕事をすることになります。
その時に最も大切なことは、相手を考えることです。
ただしそれは「相手はこう思うはず」というような、人の心を読んだ気になった行動を指すのではありません。
それは結局、自分の都合に相手が合わせてくれるという思い込みと表裏一体です。
あなたの都合に合わせてくれる人もいると思いますが、実質的に単にその人の時間を奪い振り回しているだけに過ぎず、いずれ限界に達した時、相手との間に修復不可能な大きな歪みを生むことになります。
でも心が通じ合っていると思い込んでいると、自分は悪くないのに相手が心変わりをしたと考えてしまいます。
それを繰り返せば、そのうちあなたの周りに本当に助けてくれる人はいなくなります。
あなたが思うよりもあなたのことを考えてくれる人はいます。
しかしそういう人は常にあなたのそばに寄り添ってくれる便利な人ではありません。あなたを思いやってくれるのと同じくらい相手を尊重し、大切にしないといけません。
若いから許される時期はまだしばらく続くと思います。才能があればちやほやされることもあるでしょう。しかし、その感覚のまま年を重ねるほど人としてみっともないものはありません。
そしてこれはあなたの立場が周りより高くなったとしても同じです。むしろ高くなった時こそ謙虚でなければなりません。
偉くなるというのは、人を従わせることではありません。
まず仕事を始めればきっと色々な雑務まで任されることもあるでしょう。理不尽な思いをするかもしれません。その時に感じたことを将来立場が変わった時に、自分の荷が降りたと、次の若い人にそれを背負わせないようにしてください。
立場上、周りがやってくれるのが当たり前とか、仕事を頼まれる側だから相手にいつどんな事でも注文して当然と思うような大人にはならないでください。
アニメーションのテクニックに長けていることよりも何よりも、他人を思いやれる人になってください。

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