アニメーション学科

来週15日から後期授業開始です。

その前の14日に前期全体講評会がありますが、15日金曜日から授業が開始されます。

<後期制作系に向けて>

つまらない気持ちで制作をしてはなりません。
勉強をしている以上、型にはまった発想でお茶を濁すことよりも背伸びをするべきです。
やったことのない技法に挑戦することも、超絶技巧を真似ることも、大作を目指すことも構いません。
でも、背伸びの仕方を間違えてはいけません。
背伸びをしすぎて倒れてはいけません。自分がかろうじて出来るギリギリの線を探ってください。
それを意識せずに超えると中途半端に終わります。
思う通りに出来ないとやる気を失います。
出来るはずとか、やりたいという気持ちが強いほど、膨れた理想を収拾出来ません。
苛立っているところに先生から修正を求められると意地になります。
そして企画倒れがどこから始まったのかを反芻することなく、出来ないことに耐えられず、やめてしまいます。
見せることも避けたくなります。

「失敗を恐れず」という言葉がありますが、まずは成功を求めてやるべきで、最初から失敗を想定するものではありません。
失敗ありきは計画を甘くし、結果を軽視するようになります。
失敗しても次があるにしろ、失敗に至る理由を客観的に見つめられなければ同じ事を2度3度と繰り返します。
失敗しても「やっていくうちに上手くなる」のではありません。失敗の分岐点を見つける努力なくして成功はありません。
やみくもな根性だけで突き進んでも何も解決しません。
だから背伸びをやめて一度基本に戻ることも大切です。それは挫折ではありません。

挫折を繰り返して強くなるとも言いますが、失敗を繰り返しながらモチベーションを維持出来る人は多くありません。
それが出来る人は、確固たる未来の成功が完璧にイメージ出来ているか、何か成功体験がある人です。
もしあなたがそうでないのなら、たとえ全体的に上手く出来なかったとしても小さい成功を掴み、積み重ねてください。
誰もいきなり覚醒しません。
才能の爆発を期待してはいけません。
誰もが平凡で、ただちょっと人より絵が好きで、人より少し多く描いたりしていた人達がここにいるだけです。
だからきちんと続けないと成長しません。
もし周りより自分が出来ると思っている人がいたとしても、外から見れば差はわずかでしかありません。
逆に言いえば、自分が他人よりも下手だと嘆く必要もないのです。

伸び悩みを感じる人は時間の使い方を学んでください。
ゴールに向かうためにどういうことを学ぶべきかを良く考えてください。
決して効率の良さを学べという事ではありません。
慣れていないうちから『やり方』に固執して方法論で考えれば、柔軟な発想は失われます。
だから効率の良さなど考える暇もないくらい努力するしかないのです。
そのために4年間という社会から離れた時間があるのです。

与えられた課題は、その意図を理解、解釈し、自分自身に向けてさらに役立つものに変えるのです。
授業課題の中に自分の課題を作り、クリアを目指してください。
その自己課題を教員に伝えるべきで、そうすると多分ヒントを教えてくれると思います。
ただ淡々とやっていくより上立つは早まるでしょう。そこは隠さず積極的になるべきです。
自分をないがしろにせず、真摯にやるべきです。

そしてこれらは全て向上心の話です。
だからソツなくこなして良い採点がなされたとして、それが己の血肉になるのかはよく考えてください。
出来ることを出来るようにやって「出来たね」という結果が出る。それでは刺激がなくなり、この環境がつまらないものになります。
予測通りの回答を受け続けると、生き方を「なめる」ようになります。
小さな世界で尖っても意味はありません。
アニメーションは職業に直結する技術論として受け止められますが、たとえば文学部の学生が全員文学者にならないように、アニメーション学科の卒業生がどのような道に進んでも構わないわけです。
そのため在学中に得たことを繋ぐ工夫や努力をしなければ、大学は無用の長物になってしまいます。
今ここで学んだことを将来に活かせるかどうかは自分次第です。
人生は長いかもしれませんが、「今」は一瞬です。
そしてあなたが出来ることを出来るようにやっている「今」、出来ないことを乗り越えて、先へ先へと進もうとしている人がいます。
もしも今、何らかの理由で学科で学ぶ目標が曖昧になってきた学生がいるならば、それはアニメーションを学ぶ事で得られる可能性に対して視野狭窄に陥っているのかもしれません。
自分で自分の可能性を狭めても何の得もありません。

上達には一人づつのプロセスがあり、全て時間がかかります。焦ってはいけません。でも課題内容や提出締切は守らなければなりません。
制約の中で伸びやかに学ぶ事が求められます。
そのジレンマを感じながら学ぶのが学校です。だから好きでやっているはずのアニメーション制作も、課題となれば楽しいだけではないのです。
好きなことだけをやりたい。知りたいことだけを知りたい。それでは学校は不要です。
学校にいるという事は、個人で見知れる範囲以上のことに気付く可能性があるという事です。
そして与えられることを待つのではなく、自らの手で探すことです。

後期が始まる前にそこをしっかり見つめ直して新たな気分で始めて下さい。

ICAF2017に今年も参加します。さらに運営担当もします。

ICAF2017東京上映が終了しました。

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