さまざまな職業の可能性や方向性を考える授業「領域研究」は毎回ゲスト講師をお招きし、様々なお話を聞かせて頂いています。今回のゲストは南正時さん。アニメーター出身で、現在は日本を代表する鉄道写真家であるというユニークな経歴の先生です。
日本アニメーション協会の会員であり、広島国際アニメーションフェスティバルやICAF(インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル)などの会場にカメラを片手に脚を運ばれ、多くの作家達と交流を深められたりと、現在もアニメーションを愛してやまない南さんです。そんな南さんのアニメーションとの出会いから始まり、アニメーションスタジオを経て鉄道写真の世界へ入って行かれるお話はとても楽しく、興味深く、そしてその可能性の広がりを知る事の出来る大変参考となる講義となりました。特にアニメーションスタジオの黎明期のお話では、若かりし大塚康生さんや宮崎駿さんと言った日本を代表するアニメーション界の重鎮たちとの心温まる多くのエピソード(時にはウラ話)も披露。
今とは違うアナログの時代のアニメーション技術や、南さんご自身のフィルム時代の写真のお話を聞き進める中で感じたのは、1枚づつの”画”へのこだわり。現像するまで写っているかどうかも確認する事が出来なかった時代の、画面の構図やシャッターを切る瞬間などのこだわりや緊張感が伝わってくる多くの画を見させて頂き、あらためて身の引き締まる思いがしました。「写真にしても、アニメーションに関しても今の時代はデジタルで多くの画を写したり、その場で確認する事も出来る。多くの中から”キチン”としたものを選んだり、よりよい環境にある訳だから、是非個性的なアニメーションにチャレレンジして下さい。」そう最後に笑顔で結んだ南さん。ありがとうございました。