野口教授がセンター長を務めている、色の国際科学芸術研究センターが開催している、カラボキャラリーの「色覚を考える」展の関連企画として、色覚にまつわるお話を三週連続でうかがいました。
6月23日には、総合研究大学院大学 先導科学研究科教授の蟻川謙太郎(ありかわ けんたろう)先生にお越しいただき、「チョウに色はみえるか」というテーマでお話しいただきました。
開催中の「色覚を考える」展でも様々な動物の色覚についての展示がありますが、蟻川先生は神経行動学・感覚生理学がご専門で、研究室ではとくにチョウ類の色覚メカニズムの研究をおこなっています。最近ではできるだけ多くの種で比較するために神経生理学・分子生物学・生理光学・光学顕微鏡 および電子顕微鏡による組織学・コンピュータシミュレーションなど、応用できる実験手法は多岐にわたっているとのことです。
人間は、赤・緑・青に強く反応する視細胞を持っていますが、蟻川先生らのグループは、アゲハチョウの色覚が4原色であることを実験で明らかにし、当日はその実験方法についても詳しく解説がありました。特に、アゲハは紫外線を知覚することもでき、人間以上の色覚を持っているということもできます。アゲハが優れた色覚を持っていることを初めて知った方も多いようで、蟻川先生の講義中なんどもどよめきが起こっていました。
また、後半の質疑応答の時間には来場者からも多くの質問があり、活発な意見交換がありました。