TOKYO月イチ映画祭で「左岸への旅立ち」「雨の日の月の女」「100%の女の子」を上映していただきました。先月の上映会にこのプログラムを組んでいる岩崎様が来てくれ、その際に依頼されました。毎回、コンテストで入賞した映画等が選ばれ上映される映画祭で、今回は計7本の上映でした。
会場にはキムギドク映画に出演した女優から、現役学生、私の学生時代のサークルの後輩たちまで、幅広く映画好きが集結し、交流できました。うれしかったのは、「左岸への旅立ち」を作る際に試みた2つのトライアルに対する感想が聞けたことです。ひとつは、映画にしては過剰なテロップ文字説明。この内容に泣けたと言われ、もうひとつは心の声同士での会話が面白かったと言われたことです。表現方法としては賭けでしたが、受け止めてくれる人がいて良かったー。
先月上映「携帯電話はつながらない」の監督、工芸大卒業生の上田真之です。「100%の女の子」フィルム上映のため、映写技師をやってくれました。彼は早稲田松竹の上映プログラムを組む仕事の一方、ロランバルト「恋愛のディスクール」やピーターブルックものの俳優ワークショップも主催しています。次回この映画祭は蔦哲一郎の短編を上映するとのことで、3回連続で工芸大関係者の上映になります。
今回私が見た中で面白かったのは、京都造形大を今年卒業した、石井那王貴監督(中央)「ハジラvsキングデスラ」。怪獣ものですが、高校時代から大学4年間、少しずつ撮りためたものを卒業制作に集結させたそうです。それだけに本物偽物、完全不完全色んなレベルのものが現れますが、自分の取り込めるあらゆるものを総動員してどうしても作りたかったという気迫とパワーに圧倒されます。見る人はそういう、作り手の「気」に魅かれるものなのだということをあらためて実感できました。