八尾廣研究室:タイ王国での建築都市視察研修(現代建築編)

八尾研究室によるタイの建築都市視察研修レポートの第二弾、今回は現代建築編です。経済発展著しいタイでは積極的に海外の建築家も起用し、国内でも優れた建築家が台頭してレベルの高い現代建築が続々と建っています。社会的には貧富の差が激しく、経済力を見せつける巨大プロジェクトや超高層の集合住宅が立ち上がる一方で、足元には時代に取り残されたような高密な住宅地が広がり、こうした格差も厳しい現実として都市のあり方にはダイレクトに現れています。しかし特に魅力的だったのはタイの建築家による作品で今後のタイの現代建築の動向は注目されると思いました。高温多湿な気候の中、気持ちの良い大きな半屋外のスペースを積極的に建築に取り込んだ作品、古い倉庫群をリノベーションした文化拠点、伝統的なレンガ積みの建築を再解釈した作品など、タイの風土と伝統を意識した地元の建築家の作品は非常にレベルが高く魅力的で、ゼミ生のみなさんも大きな刺激を受けたようです。それぞれの写真の下の解説に、タイの設計事務所のサイトへのリンクも貼っておきますが、ご覧いただくとタイの現代建築のレベルの高さがお分かりになれると思います。(→タイ王国の伝統建築編はこちら


Mahanakhon Tower(設計:OMA/Ole Scheeren)ブロック崩しのような形の部分は渦巻き状にタワーを取り巻き、低層〜中層階では立体的な魅力あるテラスに、最上階ではバンコクを一望できる展望台となっている。


巨大なショッピングセンターCentral Embassyの最上階にある書店・レストランフロアの設計は日本に拠点を構えるクラインダイサム・アーキテクツ。バンコク市内のマーケットからヒントを得て、木製の様々な格子を用いて開放的で魅力的なフロアを展開。


バンコクの新しいサブカルチャー拠点の一つ、the COMMONS。設計はDepartment of Architecture (https://departmentofarchitecture.co.th)。大きな孔の空いたコンクリートスラブを空中高く持ち上げて積層させ、立体的な半屋外空間を地下レベルから上層階まで連続させて、非常に魅力的な半屋外空間を作り上げた力作。流行に敏感なバンコクの若者たちが数多く集まっていた。


タイの建築家集団Stu/D/O Architectsの手がけたNaiipa Art Complex。森の中に反射性のガラスを用いて幻惑的な半屋外空間の迷宮を作り出している。(http://www.stu-d-o.com


タイの旧市街の様子。巨大開発の足元には低層高密の住宅地が広がる。社会的な格差の厳しい現実も受け止める必要があるが、こうした古い町並みや活気あるマーケットが残っていることが都市としての魅力でもある。


倉庫を改築したサブカルチャーの拠点The Jam Factory。設計はここにオフィスも構える実力派の建築家集団DBALP(https://dbalp.com)。この設計事務所は他にも古い倉庫を改築した文化的拠点を設計し大成功に導いており、既存の都市と接続した新しい文化的スペースを積極的に生み出している。


タイ北部、アユタヤとの中間に位置するバンコク大学ランシットキャンパスの学生活動の拠点施設。設計はやはりタイの実力派建築家集団Architects49。(http://www.a49.com)ガラスの多面体が壊れたような形をしているが、その中に魅力的な半屋外のスペースがダイナミックに挿入されており、沢山の学生が集まって活発な課外活動も行われていた。


バンコクの西方郊外ののどかな田園地帯に建つKantana Institute(設計:Bangkok Project Studio:http://www.bangkokprojectstudio.com/home.html)。映画やアニメーションなどのメディア制作を教える研究拠点。伝統的なレンガ積の構法(実は構造は鉄骨)の高い壁を巡らし、魅力的な思索のための路地を建築に内包させている。

八尾廣研究室のホームページ:http://www.arch.t-kougei.ac.jp/yatsuo/

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